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第126回学術集会(平成25年10月26日(土),27日(日))

【一般演題】
妊娠中に特発性一過性大腿骨頭萎縮症を認めた1例


川端 英恵, 新村 裕樹, 山岸 絵美, 橋本 恵理子, 印出 佑介, 林 昌子, 奥田 直貴, 川端 伊久乃, 石川 源, 関口 敦子, 中井 章人
日本医科大学産婦人科


 特発性一過性大腿骨頭萎縮症は,外傷や炎症などの誘因がないにもかかわらず,大腿骨近位部に限局した骨萎縮が一過性に生じ股関節に痛みを伴う原因不明の疾患で,1959年Curtissらが初めて報告した.発症年齢は20〜50歳代であり,女性では妊娠後期での発症が多い.この疾患は,荷重をかけずに生活することで数ヶ月後に自然軽快するという特徴がある.今回,妊娠後期に左膝の捻転を契機に右股関節痛を呈し,特発性一過性大腿骨頭萎縮症と診断された1例を経験した.症例は36歳初産婦,BMI 34の肥満妊婦である.妊娠34週,歩行中に左膝を捻転,同部位の疼痛が強く消炎貼付剤で加療した.しかし症状は急速に増悪し歩行困難となり,さらに右股関節痛を訴えるようになった.左膝部X線所見では左膝関節軟骨の変性を認めた.妊娠後期の荷重増加がその原因と考え,杖歩行による免荷および鎮痛薬の内服で経過をみていた.妊娠37週頃には左膝よりも右股関節痛が著明となり,痛みから歩行が全く出来ない状態となった.早急に母体への荷重を軽減する必要があると判断し,急速墜娩とした.経腟分娩は困難と判断し選択的帝王切開術を施行,妊娠38週4日3,026gの女児をApgarスコア1分値7点,5分値8点で出産した.術後,左膝関節痛は徐々に軽減したが,右股関節痛に変化はなく歩行困難が続いた.原因検索として骨盤部MRIを施行,右大腿骨頭から骨幹部にかけてT1強調画像でびまん性の低信号を認めた.以上より,特発性一過性大腿骨頭萎縮と診断した.歩行器・松葉杖によって免荷し,術後31日目に杖歩行で退院した.今回若干の文献的考察を加えて報告する.


関東連合産科婦人科学会誌, 50(3) 493-493, 2013


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