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第126回学術集会(平成25年10月26日(土),27日(日))

【一般演題】
妊娠に合併した子宮頸癌Ib1期に対しNAC後に帝切術および広汎子宮全摘術を施行した1例


天神林 友梨, 水口 剛雄, 前山 哲郎, 中尾 砂理, 八木 洋也, 越智 寛幸, 小貫 麻美子, 小畠 真奈, 松本 光司, 佐藤 豊実, 濱田 洋実, 吉川 裕之
筑波大学産婦人科


【緒言】子宮頸癌合併妊娠においては,特に胎児が子宮外生存不可能な時期に診断された場合,その治療方針に苦慮することが多い.今回我々は,妊娠12週に子宮頸癌Ib1期と診断し,術前化学療法により妊娠週数を延長したのち,妊娠31週で帝王切開術および広汎子宮全摘術を施行した一例を経験したので報告する.【症例】33歳,未経妊.自然妊娠し,検診でHSILを指摘された.生検にて扁平上皮癌であったため,妊娠12週1日に当科でcoin biopsyを施行.扁平上皮癌Ib1期(間質浸潤の深さ3mm,縦軸方向の広がり15mm),脈管侵襲なし,腟側の断端陽性であった.患者および家族が妊娠継続を強く希望したため,カルボプラチン療法をAUC 5にて2コース施行,grade 4の血小板減少のためAUC 4に減量し更に1コースを施行した.児に明らかな異常を認めず,週数相当の発育であった.経過中,子宮頸部・腟部細胞診はNILMで,妊娠29週に撮影した単純MRIにて残存腫瘍を認めなかった.妊娠31週6日にて古典的帝王切開術および広汎子宮全摘術を施行した.児は1637g,Apgar score 8点(1分後),9点(5分後),臍帯動脈血pH 7.285であった.低出生体重児のためNICU管理となったが順調に経過し,日齢42で退院した.摘出検体の術後病理診断にて,残存腫瘍およびリンパ節転移を認めず,後療法は行わなかった.【結語】子宮頸癌Ib1期合併妊娠において,挙児の強い希望がある場合には,術前化学療法による手術時期の遅延も選択肢として考慮される.


関東連合産科婦人科学会誌, 50(3) 495-495, 2013


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