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第126回学術集会(平成25年10月26日(土),27日(日))
【一般演題】
家族歴の再確認により遺伝子検査を行い,既治療の卵巣癌患者を遺伝性乳がん・卵巣がん(HBOC)と診断した2例
佐々木 怜子, 佐藤 豊実, 飯場 萌絵, 岡崎 有香, 前山 哲朗, 中尾 砂理, 櫻井 学, 越智 寛幸, 小貫 麻美子, 水口 剛雄, 松本 光司, 吉川 裕之
筑波大学産婦人科
【緒言】BRCA1/2遺伝子の病的変異による遺伝性乳がん・卵巣がん(Hereditary Breast and Ovarian Cancer;HBOC)が注目されている.今回我々は乳癌の治療歴がある卵巣漿液性腺癌患者2名に遺伝子検査を行い,病的変異を発見した.この経験からHBOCを意識した家族歴聴取の重要性を考察する.【患者1】45歳2回経産婦.右乳癌の術後2ヶ月の全身検索で卵巣癌が疑われ当院紹介.初診時に母が乳癌の家族歴が聴取されていたが,HBOCに関する情報提供はなかった.卵巣癌はIIIc期.初回治療で寛解となったが2年後に傍大動脈リンパ節転移が出現し再発腫瘍摘出術を施行し,術後化学療法を行った.この間にHBOCの情報提供を行い,書面で同意を得て遺伝子検査を施行しBRCA1病的変異を発見した.【患者2】60歳3回経産婦.58歳時に乳癌治療歴がある.卵巣癌治療開始時には家族歴はないとされていたが初回治療後に祖父が男性乳癌,父が胃癌・結腸癌であることが判明した.卵巣癌はIIIc期.初回治療で寛解となったが,2年後に乳癌が右鎖骨上リンパ節に転移再発し加療中である.この間にHBOCの情報提供を行い,書面で同意を得て遺伝子検査を施行しBRCA2病的変異を発見した.【考察】患者1は50歳未満の乳癌・卵巣癌の発症者で,第1近親者に乳癌患者が居たがHBOCの説明がされていず,患者2は家族歴聴取が不十分であった.初回治療後でもHBOCの診断がついたことは,子供に遺伝子診断を行う検討や乳癌・卵巣癌のサーベイランスの推奨に有効と考える.【結語】今後,卵巣がん治療時にHBOCを意識した診療を行うことは当然だが,既治療の患者にも必要に応じHBOCを意識した問診の再施行,診療録の再チェックを行うことが重要である.
関東連合産科婦人科学会誌, 50(3)
500-500, 2013
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