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第126回学術集会(平成25年10月26日(土),27日(日))

【一般演題】
24mm大の子宮内膜症性のう胞に存在した卵巣癌の一例


西村 良平, 井田 耕一, 武田 哲, 加藤 清, 本道 隆明, 木村 薫
JA長野厚生連篠ノ井総合病院産婦人科


 今回われわれは24mm大の子宮内膜症性のう胞から卵巣癌が発生した一例を経験したので報告する.症例は43歳,3回経妊2回経産.検診にて左卵巣腫瘍を指摘され当科を受診した.29mmの単胞性腫瘤を認め超音波断層法にて子宮内膜症性のう胞が疑われ,腫瘍マーカーはCA19-9が72.0U/ml,CA125が40.8/mlと軽度上昇していた.その後経過観察していたが腫瘍の増大はなかった.初診から16ヵ月後の診察時,腫瘍径は24mmで増大傾向はなかったものの,CA19-9が703.2U/mlと著明に上昇していた.CA125は76.4U/mlであった.MRIでは左卵巣腫瘍は血性の内容を含み,のう胞壁の肥厚や乳頭状結節は認められなかった.初診から18ヶ月後に左子宮付属器切除術を施行.術中腹水細胞診は異常なく,摘出物には肉眼的に悪性を示唆する所見は認めなかった.しかし病理検査にて子宮内膜症性のう胞内の一部に子宮内膜増殖症を認め,そこにわずかにendometrioid adenocarcinomaが存在していた.病期決定のため単純子宮全摘術,右子宮付属器切除術,骨盤リンパ節廓清術,傍大動脈リンパ節廓清術を追加施行した.日本産科婦人科学会が2003年に公表したアンケートでは30mm以下の子宮内膜症性のう胞から卵巣癌が合併した症例はなく,また我々の検索しえた限りでは40mm未満の子宮内膜症性のう胞から卵巣癌が発症した報告は認められなかった.腫瘍径が小さいのう胞についても腫瘍マーカーを含め慎重な経過観察が必要であることを認識させられた.


関東連合産科婦人科学会誌, 50(3) 501-501, 2013


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