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<< 学会誌へ戻る 【緒言】卵巣原発の扁平上皮癌は非常に稀であり，成熟嚢胞奇形種やBrenner腫瘍を伴うことが多いものの，一部は子宮内膜症を背景として発生したものやそれらを認めない純粋型も存在する．今回我々は純粋型の1例を経験したので報告する．【症例】71歳，2経妊2経産，閉経56歳．既往歴2型糖尿病．不正出血で前医受診し，頸部細胞診classV（SCC）で当院紹介となった．頸部組織診では明らかな扁平上皮癌は認めなかった．腫瘍マーカーはSCC 75.6ng/dlと高値で，CT・MRIでは右卵巣〜子宮体部後壁にかけて約8cm大の一部に嚢胞性変化を有する充実性腫瘍を認めた．右卵巣癌の子宮浸潤を疑い開腹手術を施行した．右付属器腫瘍は子宮，S状結腸，膀胱と癌性に癒着しておりダグラス窩も閉鎖していた．術式は単純子宮全摘術，両側付属器切除術，骨盤内リンパ節郭清，傍大動脈リンパ節生検，大網切除，腸管切除で術後は肉眼的残腫瘍が認められない状態となった．術後病理組織診では奇形腫の成分や子宮内膜症の所見は認めず，右卵巣原発の純粋型扁平上皮癌IIc期（pT2cN0M0）であった．追加治療として現在TC療法を施行中である．【結語】卵巣原発扁平上皮癌は確立された有効な治療法はなく予後は極めて不良であると言われているため，今後の集学的治療が重要であると考えられる． 関東連合産科婦人科学会誌, 50(3) 503-503, 2013 |
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