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第126回学術集会(平成25年10月26日(土),27日(日))
【一般演題】
妊孕性温存手術を施行した卵巣悪性胚細胞腫瘍の検討
高橋 健太, 大塚 伊佐夫, 末光 徳匡, 鈴木 陽介, 松浦 拓人, 今井 一章, 寺岡 香里, 高矢 寿光, 田中 亜由子, 古澤 嘉明, 清水 幸子, 亀田 省吾
亀田総合病院産婦人科
【緒言】卵巣悪性胚細胞腫瘍は10〜20歳代の若年層に好発する.化学療法が有効であり,術式が予後に影響しない事から,若年例では妊孕性温存手術が標準的に行われる.今回,妊孕性温存手術を行った卵巣悪性胚細胞腫瘍例について検討を行った.
【方法】1997年4月から2013年4月までに当院で治療した悪性胚細胞腫瘍9例中,子宮および片側卵巣の温存手術を施行した6例を対象とした.
【結果】年齢の中央値は27.5歳(16−40歳).ディスジャーミノーマが4例(20−40歳),未熟奇形腫Grade 2が1例(28歳),卵黄嚢腫瘍が1例(16歳)で,Ia期3例,Ic期2例,IIIc期1例であった.化学療法は5例に施行(PVP,PEP療法 各1例,BEP療法3例)し,初回手術で腫瘍が残存したディスジャーミノーマIIIc期例では,BEP療法3サイクル後の付属器切除時に腫瘍は消失していた.追跡期間は2−134ヶ月で再発症例はなかった.副作用では,Grade 4の好中球減少を2例に認めた.妊娠・出産したのはディスジャーミノーマの2例で,術後化学療法を省略したIa期例と前述のIIIc期例であり,後者はBEP療法1サイクルを追加後,2回の正期産に至った.他の4例では,現在BEP療法中の1例を除く3例で月経が再開した.
【結論】若年悪性卵巣胚細胞腫瘍例では,進行期・組織型に応じて術後化学療法を追加することにより,根治性を損ねることなく妊孕性温存手術が施行可能であることが確認された.
関東連合産科婦人科学会誌, 50(3)
504-504, 2013
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