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<< 学会誌へ戻る cystic hygromaは頸部リンパ嚢と頸静脈間の還流障害に起因してリンパ管の拡張を生じる疾患であり，妊娠初期の超音波検査にて発見される．今回我々は，染色体異常を伴うcystic hygromaの症例において，子宮内胎児死亡後，病理解剖を行った一例を経験したので，文献的考察を加えて報告する． 症例は既往歴のない40歳初産婦．AIH妊娠にて妊娠8週に当科紹介となった． 妊娠14週2日 経腟エコーにて，頸部に3cm大の単房性嚢胞が認められた．その後，胸水貯留や胎児水腫を併発した．精査をすすめたところ，TORCH検査は陰性であったが，羊水染色体検査で，21trisomyを認めた． 妊娠19週3日 子宮内胎児死亡となり，妊娠20週4日 死産となった．同意が得られたため，病理解剖を施行した．子宮内胎児死亡後，少なくとも10日を経過し死後融解がすすんでいたため，詳細な検討はできなかったが，肉眼的に全身の皮下浮腫ならびに実質臓器では心室中隔欠損を認めた．それ以外では明らかな合併奇形は認めなかった． 本症例では，妊娠初期の染色体異常・胎児水腫を伴うcystic hygromaであり，文献的にも予後不良であった．一方で，次回妊娠における再発率は低いとされる． 妊娠管理や次回妊娠への不安を軽減するためにも染色体検査は有用であると考えられた． 関東連合産科婦人科学会誌, 50(3) 510-510, 2013 |
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