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第126回学術集会(平成25年10月26日(土),27日(日))

【一般演題】
妊娠12週未満の自然流産の病理所見について


有澤 正義
都立大塚病院検査科


【目的】妊娠12週未満の流産についての病理報告は各病理医に任されている.ほとんどの場合子宮内妊娠であるかどうかの記載であろう.流産の原因まで考えられることは少ない.私は流産物においても人工妊娠中絶での病理所見とどのように異なるかを考えることは重要であると思っている.さらに習慣性流産と正常の比較は大切である.習慣性流産で大切な所見は,絨毛のdysmature(胎児奇形や染色体異常に高率に合併する奇異な型を示す絨毛)やperivillous fibrinoid change(PVFC:絨毛周囲のフィブリン沈着),massive fibrin deposition(MFD:絨毛間に広範囲に沈着するフィブリン),高度の炎症が重要である.自然流産においてこれらの病理所見がどれぐらい合併しているかを検討する.また,同期間で発生した習慣性流産についても報告する.【材料】2012年1月から2013年5月までの子宮内容物のなかで自然流産として提出された50例を再検鏡した.【結果】dysmatureあるいはhydropic villiが36例,脱落膜の炎症が10例,MFDが3例,PVFCを1例認めた.【考察】今回の検討で,自然流産の50-80%に合併するといわれている染色体異常などの例はdysmatureで示される36例(72%)で他の報告と変わらない.高度の炎症が20%と増えていることは,今後の治療が必要と考えた.同期間内に高度の炎症を繰り返す,習慣性流産があったのでお示しします.習慣性流産にみられるMFDやPVFCについては今後の妊娠について十分検討が必要と考えているので病理像をお見せします.


関東連合産科婦人科学会誌, 50(3) 516-516, 2013


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