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第126回学術集会(平成25年10月26日(土),27日(日))
【一般演題】
当院における病診連携を用いた業務改善の試み
石川 加奈子, 山口 俊一, 原 信, 鹿野 共暁, 鈴木 留美, 稲本 裕
JA静岡厚生連遠州病院産婦人科
(目的)産婦人科診療において異動や産休等による急な医師不足が問題となることがあり,特に周産期医療の現場では深刻である.当院は昭和13年設立,病床400床の浜松市における中堅病院であり,平成24年度では浜松市の24病院と病診連携をしている.当院は平成19年4月に新病院が設立し,それに伴う分娩予約の急激な増加と(年間分娩数 平成18年 248件,平成19年 484件,平成20年 875件),急激な産婦人科医の減少(7人→3人)により早急な業務改善が必要となった.そこで連携診療所の協力を得て行った病診連携による業務改善の方法を紹介する.(方法)平成23年4月より当院では地域の診療所と連携し以下のような診療体制とした.1,分娩制限を設ける(月80件).2,妊娠34週未満におけるローリスク妊婦の健診を診療所にて行い,妊娠34週以降の妊婦健診と分娩管理を当科で行う.3,ハイリスク妊娠症例は初期より継続して当院で妊婦健診を行う.4,初診を原則紹介患者のみとする.平成18年4月から平成25年3月までの7年間における紹介患者数,紹介率,外来患者数,手術件数,分娩数等からみた業務内容について検討した.(成績)平成22年度の紹介率29%,平成23年度の紹介率85%と,妊婦健診の分散化に成功した.外来のべ患者数の減少,手術件数の増加を認めた.人員不足の中でも手術枠を確保することができ,手術症例の紹介を受け入れる中堅病院の役割を果たすことができた.平成24年10月には地域医療支援病院に承認された.(結論)本病診連携システムを用いた業務改善により,人員不足に対応した周産期医療,産婦人科診療の提供が行えた.
関東連合産科婦人科学会誌, 50(3)
517-517, 2013
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