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第126回学術集会(平成25年10月26日(土),27日(日))
【一般演題】
当院における過多月経に対する手術療法の検討
山本 恵, 佐々木 麻帆, 端本 裕子, 長谷川 哲哉, 永田 智子, 斉藤 圭介, 荒田 与志子, 石川 雅彦
大和市立病院産婦人科
【目的】過多月経に対する手術療法として,当院では開腹手術・腹腔鏡手術・子宮鏡手術・子宮内膜凝固術を行っている.症状・妊孕性温存希望の有無・年齢・合併症・社会的背景などから症例ごとに治療法を十分に検討し,可能であれば低侵襲手術を行うことで早期の退院や社会復帰をめざしている.今回我々は当院における過多月経に対する手術症例について後方視的検討を行った.【方法】2010年4月から2013年3月までに当院にて過多月経に対して施行された手術症例456例を対象とし,後方視的検討を行った.【結果】過多月経に対する手術症例456例のうちATH(腹式子宮全摘術)84例,AM(腹式子宮筋腫核出術)35例,TLH(腹腔鏡下子宮全摘術)131例,LM(腹腔鏡下子宮筋腫核出術)123例,TCR(子宮鏡下子宮筋腫・内膜ポリープ切除術)52例,MEA(マイクロ波子宮内膜凝固術)40例であった.開腹手術(ATH,AM)は減少傾向(36.1%(2010年)→19.6%(2012年))にあり,腹腔鏡手術(TLH,LM)(48.5%→53.9%)やTCR(10.3%→13.7%),MEA(5.2%→12.7%)は増加傾向にあった.妊孕性温存の有無により検討を加えると妊孕性温存手術(AM/LM/TCR)ではAM(34.1%→12.1%)は減少傾向,LM(45.7%→51.5%)やTCR(21.7%→28.3%)は増加傾向にあった.妊孕性温存しない手術(ATH/TLH/MEA)ではATH(40.4%→26.7%),TLH(50.0%→48.6%)は減少傾向,MEA(9.6%→24.8%)は増加傾向にあった.MEA選択の理由としては手術既往16例,内科疾患合併8例,ホルモン治療無効6例,AM/LM/TCR後再発5例を含んでいた.【結論】当院における過多月経の手術療法として,より低侵襲な手術が増加している.近年の女性の社会進出に伴い,低侵襲かつ有効な治療法の選択が望まれる.
関東連合産科婦人科学会誌, 50(3)
521-521, 2013
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