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【症例報告】
膀胱子宮内膜症に対して外科的切除後にジェノゲスト療法を行った2症例
須江 英子, 竹重 諒子, 小清水 奈穂, 長谷川 良実, 吉崎 敦雄, 山口 肇, 毛利 順
藤沢市民病院産婦人科
膀胱子宮内膜症は子宮内膜症患者の1〜2%と知られている.その主症状は,膀胱痛や血尿を呈することもあり泌尿器科を初診するケースもある.子宮内膜症の治療法に関して,第4世代プロゲスチンの疼痛緩和効果や病変縮小効果の報告が散見されるようになったが,膀胱子宮内膜症に関しての報告は稀少である.今回,私たちは当院で経尿道的膀胱腫瘍切除術(TUR-Bt)後にジェノゲスト療法を施行した2症例を経験したので報告する.【症例1】40歳0経妊0経産,35歳より子宮内膜症に対してLEP療法(ノルエチステロン1 mg,エチニルエストラジオール0.035 mg)施行.38歳月経時排尿痛を自覚し当院で精査行うも鎮痛剤を追加され経過観察されていた.39歳より月経時の排尿痛と頻尿が再燃,40歳TUR-Bt施行.術後GnRH施行後,ジェノゲストに切り替え自覚症状は消失した.【症例2】41歳,2経妊2経産,34歳から月経時排尿痛,頻尿を自覚.37歳泌尿器科受診.膀胱鏡・MRI後にTUR-Btの方針とするも妊娠判明したため延期.正常経腟分娩後,38歳TUR-Bt施行,筋層まで切除するも症状再燃.41歳のため内服長期化する可能性を考え,ジェノゲスト2 mgを開始し症状の再発なく経過.膀胱子宮内膜症は再発・再燃を繰り返すことから,病状,患者の年齢,挙児希望の有無などを考慮して検査・治療法を決定することが重要である.
Key words:bladder endometriosis, dienogest
関東連合産科婦人科学会誌, 50(4)
667-672, 2013
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