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【症例報告】
子宮動脈塞栓術(UAE, Uterine Artery Embolization)を施行後,子宮鏡下に治療した子宮頸管妊娠の1例


荒川 香, 安藤 直子, 飯田 玲, 三村 貴志, 大森 明澄, 新城 梓, 佐々木 康, 小川 公一, 高橋 諄
昭和大学横浜市北部病院産婦人科


 子宮頸管妊娠は異所性妊娠のうち稀な疾患の1つであり,妊孕性温存が必要な症例であっても,大量出血をきたし,子宮全摘術を余儀なくされる症例も多い.今回我々は子宮動脈塞栓術(UAE, uterine artery embolization)を施行後,子宮鏡下に妊娠組織を外科的に切除し,子宮を温存し得た症例を経験したので報告する.症例は44歳5経妊3経産2回自然流産で,下腹部痛を主訴に前医を受診し,無月経5週の子宮頸管妊娠の疑いで当院紹介となった.血中hCG 26,000 mIU/mlで,経腟超音波で子宮頸管内に胎囊,胎児心拍を認めた.子宮温存を希望されたため,UAE後に子宮鏡下手術をする方針とした.両側の子宮動脈を可溶性塞栓物質(ゼラチンスポンジ)にて塞栓した.その後全身麻酔下に,子宮鏡で頸管内を観察した.胎囊を頸管右側に認めた.絨毛組織をモノポーラにて切除し手術を終了した.出血量は少量で,術後血中hCG値はすみやかに陰性化した.一般に子宮頸管妊娠の保存的治療としてメトトレキサート療法(MTX, Methotrexate)を中心とした薬物療法がある.しかしながら,胎児心拍陽性例,血中hCG高値例ではMTX療法が奏功しない症例が見られるが,術前にUAEを施行する事によって子宮血流が抑えられ,良好な視野で子宮鏡下に絨毛組織の切除が可能であった.子宮鏡下手術は,直視下に着床部位を確認でき,確実に妊卵を除去できることから,子宮頸管妊娠の治療法として有用であったと考える.ただしUAE後の妊娠,分娩については更なる検討が必要である.

Key words:cervical pregnancy, hysteroscope, UAE (uterine arterial embolization)

関東連合産科婦人科学会誌, 51(1) 45-50, 2014


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