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【症例報告】
未分化胚細胞腫を伴ったSwyer症候群の1例
永田 智子1), 榊原 秀也1), 石川 雅彦2), 平原 史樹1)
横浜市立大学附属病院産婦人科1), 大和市立病院産婦人科2)
症例は15歳,原発性無月経を主訴に前医を受診した.画像検査で子宮の存在は確認できたが両側付属器は認めなかった.内分泌学的検査の結果hypergonadotropic hypogonadismを示し,染色体検査にて核型は46, XYであった.以上よりSwyer症候群と診断した.治療は性腺の悪性腫瘍化の可能性があるため,腹腔鏡下に予防的両側性腺摘除術を行った.病理所見で左性腺組織より未分化胚細胞腫と性腺芽腫dysgerminoma and gonadoblastomaの所見を認め,卵巣癌Ia期(dysgerminoma)pT1aN0M0の診断となった.後療法は行わずホルモン補充療法(HRT)を開始し経過観察中である.カウンセリングに関しては,両親にはすべて説明を行ったが患者本人へはまだすべては行えていない.今後,染色体における性や妊孕性について情報提供を行っていく予定である.
Key words:XY female, dysgerminoma, Swyer syndrome
関東連合産科婦人科学会誌, 51(1)
93-97, 2014
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