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第127回学術集会(平成26年6月21日(土),22日(日))

【次代を担う産婦人科医のためのセミナー4】
現場を預かる若手産科医のための実践新生児学


島 義雄
日本医科大学武蔵小杉病院新生児科


・緒言
わが国は周産期医療の水準がきわめて高く,一般の認識では現在世界で最も新生児の安全が保証された環境と信じられている.その事実ゆえに,現場にいる産科医の先生方は重圧にも等しい責任を負いながら,必ずしも医療資源が豊かとは限らない臨床を任されている.本講演では,この分野での驚異的な治療成績の進歩を支えたのが決して新規の技術導入だけではなく,医療体制の構築によるところが大きいことを理解しながら,NICU管理を要する新生児とその見極め,搬送回避のために必要な基本的事項を再確認する.
・地域医療連携に対する意識
新生児の代表的な疾患や病態とその鑑別を整理,所属する施設での対応可能な範囲を明確としたうえで,周辺医療機関との連携を強化する.
・リスクの見極めと対応
@胎児期,A出生直後,B早期新生児期(産科退院まで),C新生児期(1か月健診時)の順に問題が抽出されるので,超音波検査の活用とNCPRの徹底により可能な限りAまでの緊急度の緩和を図る.Bでの異常の早期検出と迅速な対応のため,体温と呼吸・循環,代謝・栄養など項目ごとに重症化因子を把握,Cでは退院後の詳細生活歴を背景に診察を行う.
・後期早産児への対応に学ぶ新生児医療の基本
母体/胎児評価の精度向上に伴う分娩介入で後期早産児は著しく増加している.多くはNICU管理を必要としないが,不適切な対応は重大な結果を招くので,あらためて新生児医療の原則(保温,栄養,感染防止)を徹底する.
・新生児の診療の実際
母子入院中のスケジュールに精通し,遭遇の可能性がある問題を時系列で整理,臨床検査が必要な状況と項目を的確に判断する.正しい身体所見を得るため室温や照度などの環境にも配慮,蘇生を想定した処置の際に必要な物品の取扱いや管理に自らも携わる.また,記録の重要性を銘記してその啓蒙に努める.出生直後の皮膚接触から母乳育児まで,安全確保を大前提に提供可能な母子関係確立の支援について論議を深める.
・まとめ
周産期医療は幾重もの専門性の高い部門から成っているので,相互理解と協調に努めるとともに,現場の若手産科医ならではの視点から提言を行い,そのフィードバックを受取ることで経験値を高めて安全ときめ細かい支援の両立をさらに推進していただきたい.


関東連合産科婦人科学会誌, 51(2) 229-229, 2014


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