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第127回学術集会(平成26年6月21日(土),22日(日))

【若手ポスターセッション2】
婦人科悪性腫瘍に対するCART(腹水濾過濃縮再静注法)施行症例の検討


川田 淑子1, 松本 陽子1, 江口 聡子1, 富尾 賢介1, 長阪 一憲1, 有本 貴英1, 織田 克利1, 川名 敬1, 大須賀 穣1, 藤井 知行1, 伊藤 哲也2, 花房 規男3
東京大学医学部附属病院女性外科1, 東京大学がんプロフェッショナル養成プラン2, 東京大学医学部附属病院腎疾患総合医療学講座3


【緒言】癌性腹膜炎に伴う大量腹水は,腹部膨満感,呼吸困難,食欲低下など,患者のQOLを著しく低下させる.腹水濾過濃縮再静注療法(CART:Cell-free and Concentrated Ascites Reinfusion Therapy)とは,腹腔穿刺により採取した腹水を濾過濃縮,再静注することで症状緩和と血中蛋白補充を同時に行う治療法である.婦人科悪性腫瘍に対してのCART療法の有用性について検討を行った.【方法】2009年6月〜2013年10月に,当科にて大量癌性腹水に対してCARTを施行した婦人科悪性腫瘍患者16例(25回)を対象とし倫理委員会の承認のもと後方視的検討を行った.CART前後の体重,血圧,脈拍数,尿量,血液検査(血算,Alb)に加え,発熱などの有害事象についても検討した.【結果】患者背景は,平均年齢59±12.4歳,卵巣癌14例,子宮体癌1例,子宮頸癌1例であった.平均施行回数は1.56±1.26回,1回あたり3328±804mlの腹水を除去し,濃縮,補充された蛋白量は平均88.2±31.3gであった.CART施行後,有意な腹囲の減少(-6.2±3.5cm),体重減少(-3.34±1.57kg),尿量増加(660±484 mlから1535±806ml)がみられた.血小板数に有意差はなかったが,血中Alb値は,2.44±0.46g/dlから2.60±0.46g/dlへと有意な改善が認められた.酸素投与を行っていた5例中2例に酸素投与量の一時的な減量を認めた.血圧低下や脈拍数増加は軽微であり,38度以上の発熱は8.3%に認められた.【考察】CART施行により,腹部膨満感や呼吸困難感の改善によるQOL向上,自己蛋白の再利用による低蛋白血症が改善されることが示された.今後婦人科領域の難治性癌性大量腹水に対する緩和ケアの一翼を担っていくと考えられる.


関東連合産科婦人科学会誌, 51(2) 246-246, 2014


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