関東連合産科婦人科学会
会員ログイン 代表挨拶
総会・学術集会
学会誌
定款
公告
利益相反
役員構成
事務局案内
求人施設一覧
関連リンク

 関東連合産科婦人科学会会誌 オンラインジャーナル

<< 学会誌へ戻る
<< 前のページへ戻る

第127回学術集会(平成26年6月21日(土),22日(日))

【若手ポスターセッション3】
原発不明卵巣印環細胞癌として経過し,死後剖検により微細な胃印環細胞癌が判明した1例


辰巳 賢多1, 松浦 拓人2, 大塚 伊佐夫2, 遠見 才希子2, 末光 徳匡2, 鈴木 陽介2, 今井 一章2, 寺岡 香里2, 田中 亜由子2, 高矢 寿光2, 清水 幸子2
亀田総合病院初期臨床研修センター1, 亀田総合病院産婦人科2


 卵巣は他臓器からの転移を受けやすい臓器であり,時に原発巣が小さくsubclinicalな段階から卵巣に転移性腫瘍が発覚し,原発巣が不明なまま経過することもある.特に,卵巣に発生する印環細胞癌の多くは胃からの転移と考えられているが,原発不明のまま経過し,卵巣が原発であると捉えられた症例報告も散見される.今回我々は,原発不明卵巣印環細胞癌として劇的な経過を辿った後,剖検によって非常に微細な胃印環細胞癌を認めた一例を経験したので報告する.症例は47歳,5回経妊4回経産,20XX年X月,腹部腫瘤感を契機に前医を受診され,巨大卵巣腫瘍を認め,当科紹介となった.約30cmの骨盤内充実性腫瘍で胸腹水を伴っていた.X+2月に両側付属器切除術を施行し,術中迅速病理診断は線維腫であったが,永久標本による最終病理結果は印環細胞癌であった.術後二度,上部下部消化管内視鏡検査施行するも原発巣の同定には至らなかった.化学療法は希望されず,経過観察したところX+6月で多発骨転移が発覚した.TS-1+CDDP併用療法が開始されたが,希望により4cycleで中断した.無症状で経過したX+22月,骨転移痛が出現し緊急入院後,同時にDICが進行,急激に呼吸不全が増悪し,入院第20病日に死亡した.死後,剖検を施行したところ,原発巣として疑われた胃には肉眼的に同定可能な病変は認めなかったが108に及ぶ切片を作製,精査したところ4切片から粘膜表層に留まる微細な印環細胞癌を認めた.多発リンパ転移のみならず子宮頚部への転移も確認された.卵巣原発印環細胞癌は極めて稀であり,その多くは胃の原発巣が同定できていない可能性がある.


関東連合産科婦人科学会誌, 51(2) 249-249, 2014


一般社団法人関東連合産科婦人科学会事務局 〒102-0083 東京都千代田区麹町4-7 麹町パークサイドビル402 株)MAコンベンションコンサルティング内
TEL:03-3288-0993 FAX:03-5275-1192 E-mail:kantorengo@jsog-k.jp
Copyright (C) 一般社団法人関東連合産科婦人科学会