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第127回学術集会(平成26年6月21日(土),22日(日))

【若手ポスターセッション4】
出産後に診断された抗MuSK抗体陽性重症筋無力症の1例


渡辺 真理子, 多田 和美, 茂木 絵美, 栃木 辰子, 西川 正能, 大島 教子, 渡辺 博, 深澤 一雄
獨協医科大学病院産婦人科


【目的】今回我々は,妊娠前より症状は認めていたが,出産後に診断された抗MuSK(Muscle specific receptor tyrosine kinase)抗体陽性重症筋無力症(以下MG)の一例を経験したので報告する.今回の発表は,本人の同意を得て行っている.【結果】症例は33歳の初産婦.当院には妊娠7週2絨毛膜2羊膜双胎のため紹介受診となった.この4週前より両上肢脱力と複視が出現したが,神経内科で施行した抗AChR(acetylcholie receptor)抗体陰性・その他の検査も異常は認めず,自然に軽快したため不安神経症と診断された.当院通院期間中は両上肢脱力や複視の症状出現はあったが,日常生活に支障は無かった.妊娠33週4日切迫早産のため入院管理となった.妊娠36週4日肝機能異常・血小板減少を認め帝王切開術施行となった.麻酔は全身麻酔で行った.1児は2400g・2児は2640gで,形態異常は認めなかった.術後8日目に母子ともに退院した.術後17日目より両上肢脱力と複視の症状が再燃し,徐々に日常生活に支障が出るようになり,術後24日目に当院神経内科受診となった.受診時に,アンチレクステスト陽性,反復神経刺激でwaning現象を認め,その他の神経所見より重症筋無力症と診断された.その後の検査で,抗AChR抗体陰性,抗MuSK抗体陽性と判明した.入院後ステロイド治療導入され,症状は改善した.その後はリハビリ目的に4ヶ月入院を要した.【結論】抗MuSK抗体陽性MGは,抗AChR抗体陽性MGと比べて発症率は少ないが,若い女性に多く,重篤な症状を呈する場合がある.また一過性新生児MGも起こる可能性があり,注意が必要と考える.文献的考察も含め報告する.


関東連合産科婦人科学会誌, 51(2) 254-254, 2014


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