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<< 学会誌へ戻る 先天性風疹症候群（congenital rubella syndrome：CRS）とは，胎児に様々な症状を生じる症候群である．近年十分な抗体を保有しない若年女性が増え，CRS症例は増加傾向にあり今回我々は出生早期に死亡した症例を経験した．症例は，24歳5経妊1経産，帝王切開術既往の患者で妊娠5週6日無月経のため，前医受診．6週0日発熱と発疹認め，近医皮膚科受診し風疹と診断．6週1日前医で風疹HI＜8倍と風疹IgM（-），7週5日に風疹HI 256倍と風疹IgM17.64に上昇した．三井記念病院紹介するも，その後受診は不定期であった．FGR強く28週5日当院紹介初診．超音波でEFW672g（-3.6SD）で明らかな心奇形・その他奇形は認めず，心嚢液貯留を認めた．33週5日入院の同意得られ，胎児管理目的に入院．36週2日EFW1186g（-4.6SD），BPDは-4.9SDと小頭症が疑われ，MCA PSV127cm/secと上昇認めた．36週6日のNSTにて胎児機能不全の診断で同日緊急帝王切開術となった．出生後，蘇生に反応なく，1時間後呼吸障害のため死亡に至った．出生体重1284g男児Apgar score1分値2点，5分値1点，UApH7.102であった．採血で溶血性貧血，血小板減少，肝逸脱酵素上昇，高Bil血症，高K血症認め，風疹IgM陽性であった．病理解剖マクロ所見は肝脾腫・胸水・心嚢液貯留・結腸表面の紫斑を認め，呼吸障害の原因は不明であった．胎盤病理では絨毛内に赤芽球系細胞を認め，骨髄代謝の亢進が疑われた．呼吸障害の原因としては脳内石灰化により胎児呼吸様運動が十分行えず，肺が未熟であった可能性を考えた．今後，CRSを減らすためには女性だけでなく，男性にもワクチン接種を広めていく必要があり十分な啓蒙活動やシステムの構築が必要と考えられる． 関東連合産科婦人科学会誌, 51(2) 257-257, 2014 |
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