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第127回学術集会(平成26年6月21日(土),22日(日))

【若手ポスターセッション6】
側臍靭帯近傍の腹膜に存在した希少部位子宮内膜症の1例


瀬尾 晃平, 三村 貴志, 遠武 孝祐, 島田 佳苗, 秋野 亮介, 清水 華子, 宮本 真豪, 飯塚 千祥, 森岡 幹, 関沢 明彦
昭和大学産婦人科


 内膜症病巣の発生部位は全身の諸臓器・組織にわたり,ダグラス窩腹膜,仙骨子宮靱帯,卵巣や子宮漿膜に認められる以外にも,膀胱,尿管,腸管,臍部,肺などにも観察される.Clementらが分類した発生部位,1.common site 2.less site 3.rare siteのうち,2,3,を近年では希少部位内膜症と呼んでいる.今回我々は,側臍靭帯近傍の腹膜に存在した希少部位子宮内膜症を経験したので報告する.症例は30歳台,0経妊0経産で,月経時に右下腹部痛,排尿時痛を主訴に近医受診,超音波検査で右卵巣嚢腫が疑われ当院紹介初診となった.経腟超音波検査所見では,右卵巣は正常に描出され,それとは別に,右卵巣と接するように約50mm大の嚢胞を認めた.MRI検査では,子宮体部右側に47mm大の辺縁明瞭な腫瘤を認め,T1強調像で高信号,脂肪抑制像で抑制されないため,子宮内膜症性嚢胞と診断した.超音波検査と同様に,卵巣と別に存在していたことから,卵巣ではなく,卵管もしくは腹膜に存在する希少部位子宮内膜症を疑った.月経時に下腹部痛を認めることから術前3ヶ月までディナゲストの内服を行ったうえで,腹腔鏡下手術を施行した.腹腔内所見では,子宮および,両側の卵巣卵管は正常であった.大網が側臍靭帯に癒着しており,癒着を剥離すると3cm大の子宮内膜症性嚢胞を認めた.内膜症性嚢胞を除去すると,腹膜の欠損はなく,側臍靭帯に付着する形で腫瘤は存在していた.手術時間は0時間50分で,術中出血は少量だった.術後は合併症を認めることなく,経過は順調であった.術後は,再発なく,月経時の下腹部痛も認めず経過している.


関東連合産科婦人科学会誌, 51(2) 262-262, 2014


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