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第127回学術集会(平成26年6月21日(土),22日(日))

【若手ポスターセッション6】
腹腔鏡下,腹式子宮全摘出術後の腟断端感染症例の比較,検討


楠木 総司, 金田 容秀, 寺尾 泰久, 北出 真理, 竹田 省
順天堂大学医学部産婦人科


【目的】子宮全摘出後の断端感染は術後合併症の一つであり,その原因・対策について様々な報告を認めるが一定の見解が得られていない.しかし,臨床の場では術中の強度癒着症例の術後感染をよく経験する.そこで当院で施行された子宮全摘出術を腹腔鏡下手術(TLH群),開腹手術(TAH群)の術式別に後方視的に比較,検討し,子宮内膜症,卵巣チョコレート嚢胞と術後断端感染の関連について検討した.今回2011年から2013年までの3年間で良性疾患におけるTLH群237例,TAH群191例を対象とした.【成績】手術成績は,手術時間(分):TLH群155.2±57.9,TAH群162.2±61.0,出血量(g):122.8±206.5,379.0±543.0,検体重量(g):283.6±193.4,1149.3±1226.3であった.腟断端感染症例はTLH群:5例(2.1%),TAH群:3例(1.5%)であった.また,子宮内膜症の合併はTLH群:38例(16.0%),TAH群:32例(16.7%)であった.子宮内膜症症例の腟断端感染率はTLH群:7.8%(3/38例),TAH群:6.2%(2/32例),非子宮内膜症症例の断端感染率はTLH群:1.0%(2/199例),TAH群:0.58%(1/159例)でいずれの術式においても子宮内膜症の有無で断端感染率に有意差を認めた.【結論】子宮内膜症合併症例の子宮全摘出術は非合併症例に比較して腟断端感染率が高く,子宮内膜症の存在が術後腟断端感染を助長する可能性が示唆された.


関東連合産科婦人科学会誌, 51(2) 262-262, 2014


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