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第127回学術集会(平成26年6月21日(土),22日(日))
【優秀演題】
75gOGTTで1点陽性の妊娠糖尿病のうち,やせ妊婦への医療介入による周産期予後に関する検討
田代 英史, 中島 義之, 丸田 佳奈, 和田 真沙美, 林 若希, 高田 優子, 寺田 美里, 草西 多香子, 井出 早苗, 渡邉 悠久美, 坂井 昌人, 正岡 直樹
東京女子医科大学八千代医療センター母体胎児科・婦人科
【目的】妊娠糖尿病(GDM)の新診断基準によって追加となる軽症GDM症例のうち,やせ妊婦に対しての医療介入による周産期予後を検討する. 【方法】倫理委員会の承認を得た後,過去5年間に75gOGTTを施行した753症例の単胎妊婦のうち,新基準75gOGTTで1点陽性となる追加GDM症例よりやせ妊婦(妊娠前BMI<18.5)を抽出し,新診断基準の導入の前後で各周産期合併症の頻度を後方視的に検討した. 【結果】1点陽性の軽症GDMであるやせ妊婦は15例であり,新基準導入前3例,導入後は12例であった.血糖管理は新基準導入後のみ行い,導入後は3例(25%)にインスリン治療を行った.SGA児の出生はなく,分娩時週数,アプガールスコア,胎盤重量,産科合併症,新生児合併症などに差は認めなかった.新基準導入前後での妊娠中の母体の体重増加は8.2±5.5 kgから11.0±3.3 kg,出生時体重は2,764±725 gから2,973±305 gへと増加傾向を認め,LGA児の頻度は33.3%から8.3%,分娩時出血量は745±387 gから569±347 gへと減少傾向を認めたが有意差は認めなかった. 【考察】やせ妊婦の軽症GDMは医療介入で,妊娠中の母体の体重増加量が至適体重増加に近づいたが,その他の周産期合併症の発症には影響しないことを示唆した.
関東連合産科婦人科学会誌, 51(2)
266-266, 2014
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