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第127回学術集会(平成26年6月21日(土),22日(日))
【優秀演題】
重症胎児発育不全における,胎児発育率と神経学的予後との関係
長谷川 良実1, 青木 茂1, 額賀 沙季子1, 葛西 路1, 持丸 綾1, 笠井 絢子1, 倉澤 健太郎1, 高橋 恒男1, 平原 史樹2
横浜市立大学附属市民総合医療センター総合周産期母子医療センター1, 横浜市立大学産婦人科2
【目的】Severe fetal growth restriction(FGR)症例においてbiparietal diameter(BPD)の発育不良の児は神経学的予後が不良であることがよく知られている.今回我々は児の発育程度に注目し,BPD,abdominal circumference(AC),femur length(FL),estimated fetal body weight(EFBW)の発育率と児の神経学的予後との関連性について検討した.【方法】2004年1月から2011年10月の期間,妊娠30週未満で発症したsevereFGR(5%tile未満)で,1週間以上の待機的管理を行い24週以降で分娩となった26症例を神経学的予後良好群17人と予後不良群9人に分類しsevere FGRと診断されてから,分娩時までのBPD,AC,FL,EFBWの発育率を求め,どのパラメーターが児の神経学的予後に最も関係するかを比較検討した.発育率は,「実際の発育測定値/発育曲線より予測される推定発育値」と定義した.なお神経学的予後不良群は2歳時点で精神発達遅滞・脳性麻痺および死亡症例とした.【結果】BPD発育率は予後良好群で76.9%,不良群で55.6%,AC発育率はそれぞれ32.0%,69.23%,FL発育率は55.6%,43.8%,EFBW発育率は45.9%,22.3%でありEFBWの発育率のみ両群間の間で有意差を認めた.【結論】推定体重の発育率は神経学的予後と関連することが示唆された.一方でBPDの発育率と神経学的予後との関連は今回の検討からは得られなかった.
関東連合産科婦人科学会誌, 51(2)
267-267, 2014
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