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第127回学術集会(平成26年6月21日(土),22日(日))

【一般演題口演】
偽性低アルドステロン症合併妊婦の1例


太田 奈月, 川崎 優, 佐藤 杏奈, 大野 基晴, 吉田 恵美子, 早田 昌弘, 菅沼 牧知子, 田中 沙織, 宮国 泰香, 田中 利隆, 田口 雄史, 三橋 直樹
順天堂大学静岡病院産婦人科


 偽性低アルドステロン症(PHA)とはアルドステロン分泌能が正常であるにもかかわらず,先天的な腎尿細管におけるNa再吸収とK排泄能の低下のため塩類喪失症候群をきたす遺伝性疾患群である.今回,新生児期よりPHAと診断され加療されていた女性が妊娠し,管理に苦慮した1例を経験した.症例は23歳,0経妊0経産,家族歴は両親がいとこ同士の血族婚で,第1子(兄)は乳児期にPHAの急性増悪により死亡している.本人は第2子として出生,日齢5より低Na血症,高K血症,アルドステロン高値を呈し,PHAの診断で加療され,現在までNaClとポリエチレンスルホン酸ナトリウムの内服を行っていた.今回自然妊娠し,妊娠16週よりPHA合併妊娠のため当院で管理されていた.妊娠19週時に嘔吐,脱水によりK8.5と高K血症認めたため,GI療法およびNa補充療法を行った.妊娠27週に妊娠糖尿病(GDM)の診断となりインスリン療法を導入し,妊娠31週に子宮収縮と頚管長が10mmと短縮認め,切迫早産の診断で入院となった.硫酸マグネシウム1.0g/hrにてtocolysis開始,同時にGDMの管理および電解質管理を行った.妊娠32週4日に破水,子宮収縮抑制不能となったため,緊急帝王切開術を行った.児は1674g,男児,Apgar score 8/9だった.分娩後よりK8.3と上昇し,厳重なモニター管理の下,高K血症に対してグルコン酸カルシウム,GI療法,Na補充療法を行った.術後2日目に電解質は安定し,術後6日目に退院となった.PHAはI型およびII型に分類され,本症例は常染色体劣性遺伝のPHAIBと考えられる.非常に稀な疾患であり,妊娠中の定まった管理法もない.本症例のように急激な電解質の異常を呈することもあり厳重な観察と迅速な対応が必要である.


関東連合産科婦人科学会誌, 51(2) 271-271, 2014


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