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第127回学術集会(平成26年6月21日(土),22日(日))

【一般演題口演】
早産治療薬による薬剤性血管炎との鑑別に難渋した針反応を生じた1例


湊口 美紀, 鈴木 元晴, 鷹野 夏子, 難波 聡, 梶原 健, 岡垣 竜吾, 亀井 良政, 石原 理
埼玉医科大学病院産婦人科


【緒言】針反応とは,ベーチェット病患者でしばしば認められる所見であり,皮膚に針を刺すと48時間後には発赤が出現し著しい場合には中央に膿などを伴う.今回我々は切迫早産の点滴治療による針反応の鑑別とその管理に難渋した症例を経験したため報告する.【症例】 29歳0経妊0経産.既往歴:アトピー性皮膚炎,本態性高血圧症.妊娠初期より当院で管理中,妊娠22週6日から切迫早産,高血圧合併妊娠のため入院管理となった.塩酸リトドリン,降圧剤の点滴投与開始10日後から穿刺部の発疹,炎症所見の増悪が出現した.皮膚科で当初薬剤性血管炎と診断され,副腎皮質ステロイド外用剤などによる治療が開始されたが症状軽快しないため再度皮膚科に診察を依頼.好中球性皮膚症による針反応(過敏反応)が疑われたため,本人に十分説明を行ったうえで点滴治療から内服治療に変更した.皮膚生検は患者の協力が得られず行えなかった.内服治療に変更後は皮膚症状,炎症所見とも速やかに軽快.その後も再発を認めず,妊娠33週3日経腟分娩となった.【考察】薬剤性血管炎が疑われた時点で早期に内服治療へ変更する必要があった.皮膚生検を行えなかったが,今後の妊娠に備えて好中球性皮膚症の確定診断が必要であった.【結語】好中球性皮膚症は薬剤性血管炎との鑑別に難渋する場合があるが,診断の遅れが患者の状態悪化につながる危険があるため,通常の消炎治療が奏功しない場合は鑑別疾患の一つとして考慮するべきである.ただし,妊娠中の発症は新生児予後を考慮すると速やかに原因除去が行えない場合があるため,患者への十分な説明や他科との連携が重要である.


関東連合産科婦人科学会誌, 51(2) 274-274, 2014


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