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第127回学術集会(平成26年6月21日(土),22日(日))

【一般演題口演】
妊娠24週で子宮内感染により分娩となった癒着胎盤の1例


西澤 しほり, 田嶋 敦, 山本 恵理子, 笠原 華子, 河村 彩, 村瀬 佳子, 青木 洋一, 窪 麻由美, 鈴木 千賀子, 野島 美知夫, 吉田 幸洋
順天堂大学医学部附属浦安病院産婦人科


【緒言】癒着胎盤は周産期合併症として前置胎盤や既往帝王切開術に合併する例が多いといわれ,出血性ショックやDICを引き起こす重篤な疾患である.今回,既往帝王切開後に自然妊娠し,妊娠22週3日に癒着胎盤の診断となり妊娠24週5日で子宮内感染により分娩せざるを得なかった癒着胎盤の一例を経験したので報告する.【症例】35歳,2経妊2経産(帝王切開2回).自然妊娠成立後,前医にて前置胎盤と診断された.妊娠22週0日に羊水流出と性器出血を認め,前医で入院管理となった.出血の持続と経腟超音波で胎盤から膀胱への血流を認めたため,癒着胎盤の疑いで,周産期管理目的に当院へ母体搬送となった.入院時MRIでは全前置胎盤を認め,膀胱鏡では尿管口付近に胎盤からの血流と思われる豊富な血管が認められ,膀胱表面に浸潤が疑われた.妊娠24週5日に子宮収縮の増強と基線細変動の減少や一過性頻脈の減少やbottom60bpm以下の変動一過性徐脈を頻回に認め胎児機能不全が認められた.母体は発熱と炎症反応の上昇を認め子宮内感染の増悪を認めたため,同日緊急手術の施行となった.術中出血が持続したため,輸血加療とともに,内腸骨動脈塞栓術を施行し,子宮全摘出術および膀胱剥離術を施行した.手術時間8時間35分,出生児体重601g,男児,Apgar2/5,出血量18799g,総輸血量RCC60単位,FFP80単位,PLT30単位であった.【考察】癒着胎盤では分娩時大量出血となることが多く,分娩前に止血のための対策を立てておくことが重要である.本症例は子宮内感染直後より抗生剤加療を行いかつ早期の止血加療を行うことで母体を救命できた.今後も同様の症例に対し他科と連携し,対策をとることが有用であると考えられた.


関東連合産科婦人科学会誌, 51(2) 280-280, 2014


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