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<< 学会誌へ戻る 頸管妊娠は異所性妊娠の0.15〜1%に発症するとされる稀な疾患であり，大量出血や止血困難などによりしばしば子宮全摘を余儀なくされる．近年は比較的早期に診断可能となり，子宮温存療法が選択されるようになってきたが，確立した治療指針は存在しない．今回我々は，MTX療法後の経過観察中に大量出血を来たし，メトロイリンテル留置，子宮動脈塞栓術にて子宮温存しえた頸管妊娠の症例を経験したので，過去の自験例及び文献的考察と合わせて報告する．症例は33歳未経妊．前医にて子宮頸管妊娠と診断され，妊娠7週6日に当院紹介となった．受診時，胎嚢は5cmで外子宮口から10mmに位置し，超音波検査上，周囲に豊富な血流を認めた．胎児心拍は消失しており，血中hCGは236,731 mIU/mlと高値を示した．妊娠8週0日，胎嚢内容を吸引しMTXを50mg局所投与し，3日後にMTX75mgを筋肉注射した．その後，hCGは順調に低下し，胎嚢周囲の血流像も減少した．hCGの陰性化を待って子宮内容除去術を施行する方針とし，外来管理とした．治療開始後21日目に少量の性器出血を認め管理入院となり，翌日，大量の出血を認め，メトロイリンテルを子宮頸部に留置し止血した．緊急で子宮動脈塞栓術を施行し，続いて子宮内容除去術を行った．術後2日目にメトロイリンテルを抜去．その後格変なく経過し，58日目にhCGは4.2mlU/mlまで低下した．頸管妊娠の子宮温存療法に際し，大量出血を来たす症例か否かを事前に個別化することは困難であり，急な転帰に対処できるよう十分な準備を行い，厳重に管理する必要があることを再認識した． 関東連合産科婦人科学会誌, 51(2) 282-282, 2014 |
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