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第127回学術集会(平成26年6月21日(土),22日(日))

【一般演題口演】
妊娠経過中,深部静脈血栓症を契機に発見された胆管癌の1例


楢山 知明, 西村 修, 矢坂 美和, 林 伊緒, 菅野 秀俊, 三塚 加奈子, 佐藤 茂, 東郷 敦子, 石本 人士, 和泉 俊一郎, 三上 幹男
東海大学医学部付属病院専門診療学系産婦人科


【緒言】妊娠に合併する消化器系悪性腫瘍は稀であり,発見時には進行癌として診断される症例が多い.今回,妊娠経過中に深部静脈血栓症(以下DVT)を契機に発見された進行胆管癌の1例を経験したので報告する.【症例】44歳,1経妊1経産.妊娠31週1日,右下肢の腫脹および疼痛を認めたため前医を受診し,精査目的で入院管理となった.下肢静脈超音波にてDVTと診断され,当院に母体搬送となった.当院入院後の精査で,右大腿静脈から右大伏在静脈にかけて広範囲のDVTを認めたため,ヘパリンナトリウム15,000単位/日を開始した.妊娠35週より,軽度肝機能低下を認めたが,胆道系酵素の上昇は認めなかった.妊娠35週6日,下大静脈(以下IVC)フィルターの挿入を試みるも,肝部IVCをガイドワイヤーが通過せず,挿入が困難であった.静脈血栓がIVCまで及んでいることから,腹部エコーおよびMRIを施行したところ,肝臓のS1領域に約10cm大の巨大腫瘤が存在し,胆管癌が疑われた.妊娠36週0日,陣痛発来にて2,320g女児を経腟分娩した.分娩後の造影CTでは,多発肝転移・IVC内腫瘍塞栓を伴う肝内胆管癌が疑われたが,積極的治療の適応はなく産褥91日目に多臓器不全にて死亡した.【結語】妊娠中は,凝固能亢進や妊娠子宮による静脈の圧排により血栓症が発症しやすい傾向にある.その一方で,悪性腫瘍も全身の静脈血栓症発症の危険因子とされている.特に進行癌では,DVTの発症頻度が有意に上昇するため,妊娠中に広範囲の血栓症を認めた場合は,悪性腫瘍の存在を念頭に置いて精査管理することが重要であると考えられた.


関東連合産科婦人科学会誌, 51(2) 287-287, 2014


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