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第127回学術集会(平成26年6月21日(土),22日(日))

【一般演題口演】
急激な卵巣腫瘍腫大と腹水貯留をきたした卵巣癌合併妊娠の1例


梅澤 幸一, 堀 晋一郎, 神田 蘭香, 瀬戸 理玄, 品川 有子, 司馬 正浩, 松本 泰弘, 中川 俊介, 笹森 幸文, 木戸 浩一郎, 梁 栄治, 綾部 琢哉
帝京大学医学部産婦人科


【緒言】妊娠に合併した卵巣腫瘍は1000の妊娠に1〜2例といわれている.殆どが良性であるが,5%が悪性腫瘍で上皮性卵巣悪性腫瘍が3分の2を占める.今回,大量腹水貯留と卵巣腫大で搬送された妊娠35週の卵巣癌合併妊婦に対し帝王切開術と両側付属器切除術を施行し,術後化学療法が奏功した症例を経験したので報告する.【症例】37歳,2妊1産.妊娠初期に径約3cmの卵巣腫大を認めたが,黄体嚢胞の疑いとして経過観察されていた.妊娠34週頃から上腹部痛と腹部膨満感を訴え,妊娠35週に症状が増悪したため母体搬送となった.画像診断では右卵巣が径10cmに腫大していた.腹水は肝臓下に及び,腹水細胞診はClassVで腺癌疑いであった.卵巣癌合併妊娠と診断し帝王切開術,両側付属器切除術,大網部分切除術,播種巣切除術を施行した.児は2180g,女児,Apgar score8点(1分)9点(5分),UApH7.332.腹水は4,700mlで,大網に径5cm大の播種を多数認めS状結腸と回盲部にも腫瘍が残存した.病理学的には卵巣漿液性腺癌でstageIII c,血液検査ではCA125 17,580U/mL,CA19-9 68.8U/mLだった.化学療法(dose denseTC)を2サイクル施行,3か月後にsecond debulking surgeryを施行したが残存腫瘍は消失していた.【考察】妊娠の進行とともに卵巣の確認が困難となるため,黄体嚢胞などの経過の判断が困難なこともある.大きさの変化の観察にくわえて内部エコーや腹水の有無を考慮し卵巣悪性腫瘍の可能性を勘案し妊娠管理を行うことが望ましいと考えられた.妊娠によって病変の進行が修飾されている可能性もあり,手術時に広汎な病巣を認めていても化学療法が有効な場合もある.積極的な治療も期待できると思われた.


関東連合産科婦人科学会誌, 51(2) 288-288, 2014


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