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第127回学術集会(平成26年6月21日(土),22日(日))

【一般演題口演】
当院における妊娠中の腹腔鏡下卵巣嚢腫摘出術の工夫


島田 佳苗, 三村 貴志, 石川 哲也, 瀬尾 晃平, 遠武 孝祐, 秋野 亮介, 清水 華子, 宮本 真豪, 飯塚 千祥, 森岡 幹, 関沢 明彦
昭和大学医学部産婦人科学講座産婦人科


 妊娠中の腹腔鏡下卵巣嚢腫摘出術は,安全性が確立しつつあり有効な治療法のひとつである.開腹手術と比べ低侵襲であり術後の早期回復・術後疼痛の減少・術後癒着の減少など様々な利点があり,近年症例数は増加している.しかし,妊娠中の腹腔鏡手術では,子宮が大きくなっているために,気腹針やトロッカー挿入時,さらには腹腔内での鉗子操作中に,妊娠子宮を損傷してしまう危険性があるため,術式の工夫が必要である.当院では,通常,腹腔鏡下卵巣嚢腫摘出術はパラレル法で行っており,卵巣腫瘍の対側に1本ないし2本のトロッカーを挿入する.妊娠中は子宮が大きいため,卵巣腫瘍の対側のトロッカーからの操作ではまず子宮を乗り越える必要があり,子宮損傷のリスクとなる.そこで,2013年より妊娠症例に対してのみ臍窩に単孔式ポート(Xゲート使用,5mmトロッカー3本)と,患側の臍横部に5mmトロッカーを挿入する方法を用いている.この工夫は,鉗子が子宮を乗り越える操作がなくなるため,子宮損傷リスクの軽減につながる.上記方法を妊娠14-16週の3症例(dermoid cyst2例,子宮内膜症性嚢胞破裂1例)に施行し,子宮損傷なく出血少量で安全に手術を終了することができた.まだ症例数は少ないものの,トロッカーを配置することで,妊娠中の腹腔鏡下卵巣嚢腫摘出術をより安全に行えるものと思われる.


関東連合産科婦人科学会誌, 51(2) 291-291, 2014


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