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第127回学術集会(平成26年6月21日(土),22日(日))

【一般演題口演】
産婦人科領域の腹部リンパ疾患に対するSupermicrosurgeryを用いたアプローチ


原 尚子, 三原 誠
東京大学形成外科・美容外科


【目的】産婦人科領域で遭遇することのあるリンパ疾患として,癌術後の下肢リンパ浮腫,骨盤内リンパ嚢胞や,胎児期に診断される特発性乳糜腹水が挙げられる.自然軽快することもあるが,骨盤内リンパ嚢胞は,遷延すると感染を繰り返し,患者のQOLを著しく損なう.胎児や新生児の特発性腹水は,栄養不全,免疫不全などにより命を落とすこともあり,致死率50%とも言われる.われわれは,四肢のリンパ浮腫に対してリンパ管静脈吻合術(LVA)を年間約300件行っているが,今回腹部リンパ疾患に応用した.【方法】8人の骨盤内リンパ嚢胞と,2人の新生児特発性腹水に対しLVAを行った.1〜3cmの皮膚切開から皮膚直下の0.5mm程度のリンパ管と静脈を同定し,手術用顕微鏡を用いて吻合した.骨盤内リンパ嚢胞については局所麻酔下に両下肢LVAを,新生児特発性腹水については全身麻酔下に四肢LVAを行った.患児の体重はそれぞれ1711g,2727gであった.手術時間は約4時間で,周術期に大きな合併症を認めなかった.腹部ドレーンが留置してあるものはドレーンの排液量で,ドレーンがないものは術前術後のCTで,手術効果を判定した.この治療を行うにあたり,患者より書面でインフォームド・コンセントを得た.【成績】骨盤内リンパ嚢胞は6人でほぼまたは完全にリンパ嚢胞が消失した.1人でやや縮小,1人で変化を認めなかった.新生児の特発性腹水では,2人とも術後約1週間でドレーンからの排液がなくなり,ドレーンを抜去することができた.【結論】リンパ浮腫治療に用いられる低侵襲なLVAを応用することで,産婦人科領域の腹部リンパ疾患に対するアプローチが可能である.


関東連合産科婦人科学会誌, 51(2) 295-295, 2014


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