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第127回学術集会(平成26年6月21日(土),22日(日))

【一般演題口演】
乳頭状充実部分が存在した良性傍卵巣嚢腫の1例


長谷川 亜希子, 有田 白峰, 松岡 良
東京日立病院産婦人科


【緒言】傍卵巣嚢腫は時に経験されるが充実部分を要することは比較的少ない.今回我々は7cm大の傍卵巣嚢腫で乳頭状充実部分を要したが病理診断にて良性であった症例を経験したので報告する.【症例】31歳0経産.前医の経腟超音波にて7cm大の腹腔内腫瘍に一部充実部分を伴うことより当科に紹介初診となった.初診時の経腟超音波で左付属器に7cm大の単房性嚢胞性腫瘤を認め,内部に2cm大の結節性充実部を認めた.腫瘍マーカーは正常であった.MRIではT1WI,T2WIともに高信号を示す7cm大の単房性嚢胞を認め,壁に1cm以下の充実性結節を認めた.結節部分はT1WI,T2WIともに低信号を示し造影効果は不明瞭であった.左卵巣は正常に認められ,嚢胞とは連続性が不明瞭であった.以上より左傍卵巣腫瘍が最も可能性が高く,充実部の存在から境界悪性程度の可能性も示唆された.挙児希望があり温存手術を希望され,再手術の可能性も示した上で腹腔鏡下腫瘍切除術の方針とし同意を得た.手術所見では正常左卵巣に連続して6cm大の腫瘤を認め左傍卵巣腫瘍と判断した.操作中に腫瘍が破綻し腫瘍内に乳頭状充実部分を認めた.腫瘍摘出術の方針としたが操作時に正常卵巣との境界が不明瞭であり,左下腹部創を延長して最終術式は腹腔鏡補助下傍卵巣腫瘍切除術とした.病理所見では腫瘍に乳頭状構築を示す部分が存在するが悪性所見は認めず,最終診断はparaovarian cystであった.【考察】充実部分を要する傍卵巣嚢腫の場合,悪性との鑑別が重要となる.現在までの報告から文献的考察を加え,傍卵巣嚢腫と悪性との関連について検証を加えたい.


関東連合産科婦人科学会誌, 51(2) 299-299, 2014


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