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第127回学術集会(平成26年6月21日(土),22日(日))

【一般演題口演】
再発子宮頸部小細胞癌に対してアムルビシン(AMR)を投与した1例


生井 重成1, 鎌田 英男1, 司馬 正浩1, 中川 俊介1, 竹下 茂樹1, 梁 栄治1, 綾部 琢哉1, 関 順彦3, 笹島 ゆう子2
帝京大学産婦人科1, 帝京大学病理診断科2, 帝京大学腫瘍内科3


 子宮頸部小細胞癌は子宮頸癌の中で3%未満の頻度とされ,急激な臨床経過を辿る予後不良な癌である.今回,我々は肺小細胞癌に対して高い抗腫瘍効果が報告されているAMRを,再発子宮頸部小細胞癌に対して投与した症例を経験した.症例は49歳2回経産.不正性器出血を認めて当院を受診した.子宮頸部に5cm大の腫瘍を認め,頸部組織診断は腺扁平上皮癌で,臨床進行期IIAであった.初回治療として広汎子宮全摘術,骨盤リンパ節郭清術を施行した.術後摘出子宮の病理組織学的検討により,腺扁平上皮癌を含む小細胞癌と診断された.放射線療法および4回のエトポシド・シスプラチン(EP)療法を施行した.9か月後にNSE 59ng/mlと上昇,CTにて横隔膜,左腎,膵,右肺底部,脳転移を認めた.肺小細胞癌に対して,初回化学療法としてAMRは75.8%の高い奏効率を示すと報告されている.子宮頸部小細胞癌に対するAMRの治療成績に関する報告はないが,EP療法後の広範囲の再発であることを考慮し,本人・家族への十分なインフォームドコンセントを行ったうえでAMRを6回投与した.NSEは8.4ng/mlまで低下し,CTで脳転移巣の98%縮小を認めた.腹腔内に残存腫瘍を認め,AMRの追加投与を行う予定であったが,骨髄抑制の遷延による休薬期間にNSEの再上昇を認めた.再発肺小細胞癌に対する有用性を示唆する報告があるイリノテカン(CPT-11)投与したがPDとなったため,骨髄抑制回復後にAMRの再投与を行う予定である.今後,本症例のように再発再燃をみとめる子宮頸部小細胞癌に対して,既存の化学療法耐性となった症例では,AMR療法が新しい選択肢のひとつとなりうると考えられた.


関東連合産科婦人科学会誌, 51(2) 302-302, 2014


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