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第127回学術集会(平成26年6月21日(土),22日(日))

【一般演題口演】
子宮頸癌術後放射線療法後に発症した膀胱破裂の1例


間崎 和夫, 釘宮 剛城, 大路 斐子, 長崎 澄人, 松尾 若菜, 高野 博子, 片桐 由起子, 森田 峰人
東邦大学医療センター大森病院産婦人科


【緒言】子宮頸癌術後放射線療法後の晩期障害として膀胱破裂がある.今回われわれは子宮頸癌のため広汎子宮全摘術を行い,術後同時化学放射線療法を行った7年後に突然の腹痛と腹水が発症し,膀胱破裂と診断した1例を経験したので報告する.【症例】年齢は50歳台.7年前に子宮頸部扁平上皮癌llA2期で術前化学療法後に広汎子宮全摘術(pT2a2N1M0)を行い,術後補助療法として同時化学放射線療法(全骨盤照射50Gy)を行った.術後3年目より尿失禁のため泌尿器外来でもfollow-upされていた.術後7年目に突然腹部全体に痛みが出現し当科に入院した.血液検査はWBC 10,600/μl,CRP 6.0mg/dl,Cre 0.83mg/dl,BUN 17mg/dl,腹部CT検査所見では腹水を認めたが,再発所見や腸閉塞所見は認めなかった.腹腔穿刺を行い腹水は黄色透明,腹水細胞診陰性,腹水細菌培養陰性,抗酸菌染色検査陰性,腹水中Cre 6.4mg/dl,BUN 29mg/dlであった.入院1週間で腹水は急速に増加,血清Cre 1.79mg/dl,BUN 22mg/dlと増加したが,腎盂尿管造影で尿路通過障害は認めなかった.腹腔穿刺持続ドレナージで腹水4,000ml排液,膀胱カテーテルを留置した.その後は腹水の再貯留を認めず,血清Cre,BUN値は正常化,腹痛は徐々に消失した.膀胱造影検査では膀胱の明らかな異常は認めなかったが,神経因性膀胱と放射線照射によっておきた膀胱障害から膀胱破裂に至ったと考えられた.膀胱カテーテルを約2週間で抜去した後も症状は再発せず,自己導尿を指導後退院した.【結語】子宮頸癌広汎子宮全摘術後に放射線療法を受けた既往があり,突然の腹痛と腹水を発症し,腹水中Creが高値の場合は膀胱破裂の可能性を考慮すべきと考える.


関東連合産科婦人科学会誌, 51(2) 303-303, 2014


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