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<< 学会誌へ戻る 【緒言】RS3PE症候群とは，寛解性（Remitting）で，リウマチ因子や抗核抗体陰性（Seronegative）の対称性関節炎（Symmetrical Synovitis）であり，圧痕性浮腫（Pitting Edema）を伴う症候群である．比較的高齢者に発症する．腫瘍随伴症候群として出現することもあるが，卵巣癌を合併した報告は稀である．今回RS3PE症候群と診断した後，悪性腫瘍のスクリーニングで卵巣癌であった一例を報告する．【症例】70歳，3経妊2経産．両足の浮腫および手指関節痛を主訴に当院膠原病内科に紹介となった．2ヶ月前から両足の著明な浮腫の出現を認めたこと，50歳以上であること，リウマチ因子が陰性であることからRS3PE症候群と診断された．プレドニン15mg内服を開始し，翌日には上記症状の改善を認めた．悪性腫瘍のスクリーニング目的に造影CT検査を行ったところ卵巣腫瘍を認め，当科に紹介となった．MRI検査で卵巣に造影効果を伴う充実性部分を有する嚢胞を認め，卵巣癌を疑った．造影CT検査では腹膜播種や脾臓への転移が疑われた．下部消化管内視鏡検査を施行したところ腹膜播種によると考えられる腸管狭窄を認めたため，人工肛門造設術を施行した．術中に認めた腹膜結節の一部を病理組織検査に提出し，Serous adenocarcinomaと診断された．根治的手術は困難と考え，TC（パクリタキセル＋カルボプラチン）療法を開始し，6コース施行後，経過観察を行っている．【結語】RS3PE症候群では悪性腫瘍のスクリーニングを行うことが重要であり，卵巣癌を併発している可能性も考慮しておく必要がある． 関東連合産科婦人科学会誌, 51(2) 307-307, 2014 |
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