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第127回学術集会(平成26年6月21日(土),22日(日))
【一般演題口演】
神経内分泌腫瘍分化を伴う粘液性癌の1例
中崎 公隆, 市川 剛, 松野 孝幸, 大西 美也子, 千島 史尚, 高田 眞一, 山本 樹生
日本大学産婦人科
卵巣原発の神経内分泌腫瘍は稀で予後不良な疾患であり奇形腫や粘液性腫瘍と合併する例が報告されている.我々は神経内分泌腫瘍分化を伴う粘液性癌の1例を経験した.症例は47歳1回経妊1回経産であり 既往歴は43歳時に子宮筋腫と右成熟嚢胞性奇形腫の診断で単純子宮全摘術,右付属器切除術を受けた.腹痛を主訴に前医を受診した.紋扼性腸閉塞の診断で開腹したところ16×11×8cmの卵巣腫瘍と紋扼を確認したため,紋扼を解除し小腸部分切除,左卵巣切除 虫垂切除術が施行された.病理診断はMucinous adenocarcinoma with focal neuroendocrine differentiation of left ovaryであった.HE染色の所見は,内腔に向かう乳頭状増殖と核異型と核配列の乱れが強い腺管形成と,間質浸潤部と一部で索状や中層の胞巣状に増殖した神経内分泌腫瘍像を呈す部が混在していた.免疫染色ではCD56(+)Synaptophysin一部(+)Chromogranin一部(+)Calretinin一部(+)smooth muscle action(−)s-100(−)であった.粘液性癌に神経内分泌腫瘍が合併する場合,悪性度が高い場合もあるためstaging laparotomyも含め今後の対応策を講じる予定である.本症例に文献的考察を含め報告する.
関東連合産科婦人科学会誌, 51(2)
308-308, 2014
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