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<< 学会誌へ戻る 【緒言】Gastrointestinal stromal tumor（GIST）は消化管間葉系腫瘍の総称で，その性状は充実性腫瘍や嚢胞性腫瘍など多岐にわたる．しかし，骨盤内に腫瘍本体が存在する場合には婦人科疾患との鑑別が困難であることが多い．今回我々は婦人科疾患を疑って開腹手術を行い，術後にGISTと判明した2症例を経験したので報告する．【症例1】75歳，2妊2産．意識消失発作のために前医受診．諸検査にて腹腔内腫瘤を認め当院紹介受診となった．内診上成人頭大腫瘤を認め，造影CT検査では腫瘍は充実性で内部に高濃度域が認められた．年齢から出血を伴った子宮肉腫を強く疑い開腹術を施行した．開腹したところ骨盤内腫瘍は広範囲に小腸・腸間膜と癒着していたが，子宮・付属器は正常所見であった．腫瘍を含む回腸部分切除，回盲部端々吻合術及び単純子宮全摘出術と両側附属器切除術を施行した．【症例2】58歳，1妊0産．腹部腫瘤を自覚して前医受診．骨盤内腫瘍あり当院紹介受診となった．内診上腫瘍は臍上におよぶ腫瘤を認め，経膣超音波検査ではで腫瘍は嚢胞性であったが明らかな壁在結節等は認めなかった．またCTでも良性の右附属器由来嚢胞性病変疑いであり，手術の方針となった．開腹したところ腫瘍は成人頭大であり小腸間膜由来であった．腫瘍の小腸の癒着を剥離し，被膜の破綻なしで摘出し得た．子宮や両側附属器は正常であった．【病理所見および術後経過】症例1，2ともに術後病理検査でc-kit陽性でありGISTと診断された．また追加治療なく外来で経過観察とした．【結語】骨盤内腫瘍を認めた場合には十分に子宮付属器を確認し，いずれも正常所見である場合にはGISTも念頭に入れる必要であると考えられた． 関東連合産科婦人科学会誌, 51(2) 313-313, 2014 |
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