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第127回学術集会(平成26年6月21日(土),22日(日))

【一般演題口演】
高齢性器脱女性に自然発症した後腟円蓋からの小腸脱出症例


松野 孝幸, 市川 剛, 中山 琢生, 大西 美也子, 千島 史尚, 高田 眞一, 山本 樹生
日本大学医学部附属板橋病院産婦人科


 腟壁裂孔からの小腸脱出は極めて稀な疾患で,脱出した腸管に壊死を生じると死亡することもあると報告されている.今回我々は,手術歴を有しない患者の後腟円蓋からの小腸脱を経験したため報告する.症例は90歳の4回経妊2回経産婦.閉経50歳.80歳より子宮脱の自覚が有ったが,診察を受けることなく経過観察していた.手術歴は無く,高血圧以外に特記すべき既往歴や家族歴は認めなかった.患者が疼痛を訴えトイレでうずくまっているところを家族が発見し,救急隊を要請した.前医で子宮脱および直腸脱を疑われ,当院へ救急搬送となった.来院後,子宮脱,小腸脱および小腸壊死の疑いで緊急開腹手術となった.トライツ靭帯より3m30cmの部分より,回盲弁から10cm口側までの約70cmが脱出していた.炎症変化を認めたため,小腸部分切除を行った.また,同時に右傍卵巣嚢腫摘出,右卵管部分切除,左傍卵巣嚢腫摘出を行い,腟壁を経腟的に縫合閉鎖して終了した.腸管脱出は,腸管が絞扼し,壊死を生じると死亡率が高まるため,早期の発見と治療が要求される.一般的に腟壁裂孔は子宮摘出術等の手術後の患者に多いが,その他にも多産や高齢,異物挿入,乱暴な性行為もリスク因子である.さらに子宮摘出術後の患者が,腟壁離開から腸管脱出を呈したという報告もあり,手術歴のある患者では若年者においても迅速な対応が必要となることもある.今回の症例は,長期にわたる無治療の子宮脱が腟壁の乾燥や脆弱化につながり,小腸脱を生じるに至ったと考えられる.


関東連合産科婦人科学会誌, 51(2) 313-313, 2014


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