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第128回学術集会(平成26年10月25日(土),26日(日))
【若手ポスターセッション1】
当院における妊娠22週以降の子宮内胎児死亡例の検討
尾臺 珠美1, 坂本 雅恵1, 高木 香織1, 小林 真弓1, 中村 玲子1, 羅 ことい1, 栗田 郁1, 藤岡 陽子1, 市川 麻以子1, 遠藤 誠一1, 島袋 剛二1, 宮坂 尚幸2
総合病院土浦協同病院産婦人科1, 東京医科歯科大学小児・周産期地域医療学2
【目的】厚生労働省の人口動態調査によれば,2009年における本邦の妊娠22週以降の死産率(出産千対)は3.4と低値であるが,良好な妊娠経過にもかかわらず子宮内胎児死亡(intrauterine fetal death:以下IUFD)が予期せずして起こりうる.当院における妊娠22週以降の死産の実態とその原因について検討した.【方法】2009年1月から2013年12月の5年間における当院での妊娠22週以降の全分娩数は5224件で,そのうち30症例(0.57%)が死産であった.この30症例の周産期背景とIUFDの原因について後方視的に検討した.【結果】35歳以上の高齢妊娠は46.7%,初産婦16例・経産婦14例で高齢初産は6例,不妊治療後4例であった.IUFD時,42.3%は妊娠32週以降であった.5年間の全飛び込み分娩件数は99例で,そのうち4例(4.0%)が死産であった.入院契機は,他院からの紹介6例,搬送7例(胎盤早期剥離5例,陣痛発来1例,外傷1例),自己来院12例(妊婦健診7例,飛び込み受診1例,その他4例),入院中5例であった.剖検例はなく,IUFDの原因は,臍帯異常10例,胎盤早期剥離7例,母児間輸血症候群1例,慢性早剥羊水過少症候群1例,胎児染色体異常1例,分娩時仮死1例,外傷1例,原因不明8例であった.【結論】飛び込み分娩での死産率は高い,一方で入院中の超音波Doppler胎児心拍聴診や妊婦健診を機にIUFDを認める症例もあり,予測困難で原因不明例も多い.高齢初産や不妊治療後妊娠の増加に伴いIUFD症例に対するより慎重な対応が望まれ,今後さらなる検討が必要である.
関東連合産科婦人科学会誌, 51(3)
380-380, 2014
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