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第128回学術集会(平成26年10月25日(土),26日(日))
【若手ポスターセッション1】
当院における母体搬送の現状とその変遷
西島 明, 大木 慎也, 町野 英徳, 河田 啓, 福井 志保, 山本 泰廣, 黒田 健治, 成高 和稔
焼津市立総合病院産婦人科
【目的】当院は,静岡県中部の志太榛原地域中核病院として,以前より近隣からの母体搬送を積極的に受け入れているが,平成19年より,地域周産期母子医療センターとして運用を開始した.運用後の母体搬送の妊娠・分娩予後について検討することを目的とした.【方法】平成18年7月から平成25年3月までに当院に母体搬送された症例のうち,22週未満の搬送を除外した216例を対象とした.搬送時適応,週数,周産期予後,搬送地域,施設規模などを,倫理委員会承認のもと,後方視的にデータを収集し,統計学的解析を行った.【成績】平成18年から21年での母体搬送数平均は年21件で,平成22から25年では年35件と増加していた.適応は切迫早産が53件(22%),前期破水が30件(14%),産褥出血27件(13%),妊娠高血圧症候群24件(11%)などであった.妊婦受け入れ週数は29-33週が最も多く79件(37%)であった.施設規模としては個人病院からの受け入れが142件(66%),総合病院からの受け入れが26例(12%)であったが,総合病院からの受け例件数の増加率は最多であった.(年0.8件/年5.8件,p<0.05)搬送地域は焼津市外から86件(58%),焼津市内130件(41%)で,焼津市外からの受け入れが特に増加していた.(年5.9件/年16件p<0.05)【結論】地域周産期母子医療センター発足後,母体搬送件数は年々増加し,特に市外の総合病院からの受け入れ件数が有意に増加していることが明らかとなった.今後ますます受け入れ件数が増加することが予測されるため,搬送元施設への逆搬送など含め,緊密な連携が必要となると考えられた.
関東連合産科婦人科学会誌, 51(3)
381-381, 2014
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