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第128回学術集会(平成26年10月25日(土),26日(日))

【若手ポスターセッション2】
ITPと鑑別困難であった妊娠性血小板減少症の一例


竹重 諒子1, 青木 茂1, 山本 ゆり子1, 長谷川 良実1, 榎本 紀美子1, 葛西 路1, 笠井 絢子1, 倉澤 健太郎1, 高橋 恒男1, 平原 史樹2
横浜市立大学附属市民総合医療センター総合周産期母子医療センター1, 横浜市立大学附属病院産婦人科2


 妊娠性血小板減少症(Gestational thrombocytopenia:GT)は妊娠中に軽度の血小板減少(≧70,000/μl)を示し,かつITPが否定された病態である.その妊娠転帰は良好で治療不要である.一方,特発性血小板減少症(Immune thrombocytopenia:ITP)は時に高度な血小板減少を認め,母児ともに治療を要することがある.除外診断によって診断されるため,血小板数<100,000/μlの中等度から高度の血小板減少症が妊娠中に指摘された際は鑑別が問題となる.今回ITPとの鑑別が困難であったGTの一例を報告する.症例は39歳,0経妊0経産,MD双胎.初期の血小板数は219,000/μlであったが,妊娠30週では122,000/μlと減少しGTを疑い経過観察とした.妊娠33週で78,000/μlとさらに低下しITPの可能性を考慮した.末梢血塗沫標本で明らかな形態異常なく,他に血小板減少を来す疾患を認めないため,ITPまたはGTと診断した.出血傾向もないため厳重経過観察とした.妊娠37週で血小板数59,000/μlと血小板減少は進行したため,妊娠終了の方針とし緊急帝王切開術を施行した.術後4日目の血小板数は118,000/μl,術後1カ月後には229,000/μlまで自然回復しGTと診断した.本症例からGTでも血小板数<70,000/μlと高度な血小板減少を認める場合があること,および高度な血小板減少例ではITPとGTの鑑別は困難であり,分娩後の血小板数の推移によってのみ診断が可能であることが示唆された.


関東連合産科婦人科学会誌, 51(3) 383-383, 2014


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