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第128回学術集会(平成26年10月25日(土),26日(日))
【若手ポスターセッション2】
胎児共存胞状奇胎の1例
藤原 静絵1, 大岡 尚実1, 宮本 翼1, 鈴木 昭久1, 松原 直樹1, 山崎 輝行1, 大平 哲史2
飯田市立病院産婦人科1, 信州大学産婦人科2
胎児共存奇胎は,正常胎児と胞状奇胎が併存する10,000〜100,000妊娠に1例の稀な妊娠である.流早産,妊娠高血圧症候群,性器出血,子宮内胎児死亡などの妊娠合併症の頻度が高く,生児を得られるのは比較的少ない.今回われわれは生児を得られた胎児共存奇胎の1例を経験したので報告する.【症例】27歳.1経妊0経産.妊娠13週に絨毛膜下血腫を疑われた.妊娠15週に性器出血が増加し入院.超音波上,正常胎盤構造に接してmultivesicular patternを認めた.血中hCG値は332,000mIU/mlと異常高値だった.羊水染色体検査は正常核型であり,胎児共存奇胎と考えた.妊娠継続の強い希望があり慎重に経過観察した.血中hCG値は妊娠16週時にピーク値1090,620mIU/mlまで上昇したがその後低下した.妊娠35週2日に陣痛発来し,経腟分娩となった.児は2,045gの男児.胎盤の肉眼および病理学的所見,免疫染色により正常胎児と全奇胎との双胎と診断した.【結語】文献的考察から,高い血中hCGピーク値や妊娠16週までの上昇傾向は必ずしも不良な妊娠転帰を予測させるものではなく,その後低下傾向を示す症例では比較的長期に妊娠継続できる傾向があると考えられた.
関東連合産科婦人科学会誌, 51(3)
384-384, 2014
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