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第128回学術集会(平成26年10月25日(土),26日(日))
【若手ポスターセッション3】
外性器異常を認めた2例(出生前・出生後カウンセリングの検討)
石黒 共人, 北川 友香梨, 青井 裕美, 小田 理沙子, 関根 花栄, 山田 敦子, 永井 富裕子, 糸賀 知子, 須賀 新, 西岡 暢子
越谷市立病院産婦人科
[緒言]性分化異常(Disorder of Sex Development)は,4500出生に1人程度と稀な疾患である.しかしながら,尿道下裂(男児1/300人程度)を含めた外性器異常(Ambiguous Genitalia)は頻度が高い一方,出生前及び出生直後には正確な診断が困難なことから,夫婦への慎重なカウンセリングが重要である.今回DSDの2例を経験したので出生前後のカウンセリングを含め報告する.[症例1]36歳2G1P,38週2日FGRで紹介受診,モニターで胎児機能不全のため即日帝王切開で分娩.出生体重1308g Apgar5/9.外性器は女性様も大陰唇肥大.超音波検査で子宮を認めた.出生直後産婦人科医と小児科医同席でカウンセリングを行い「性器が未熟であるため詳しい検査が必要であり,結果もふまえ性別は決定する.」と説明.染色体検査:46,XX,der(6)t(6;10)(p25:q23.2)で女児と診断.[症例2]34歳0G0P,34週外性器異常とFGRで紹介受診.超音波検査で肥大した大陰唇間に陰茎様の突起を認め,明らかな子宮像を認めなかった.35週ご夫婦に対し,「外性器は,出生後も判断が困難な場合もあり,性別は慎重に決定していく.」と説明.また,産科医,小児科医,助産師,看護婦等,全スタッフに出生直後性別を断定しないよう徹底.37週2日帝王切開で分娩.出生体重1457g Apgar8/9.矮小陰茎,二分陰嚢,尿道下裂を認めた.染色体検査:46,XY,遺伝子検査:SRY遺伝子正常.再度カウンセリング施行し,男児と診断.[結語]DSDは,しばしば経験することがあり,出生前後に性別を断定しないことが重要である.出生前後におけるカウンセリングやスタッフを含めた対応は,児を受容し,性別を決定することにおいて重要な役割を果たしたと考えられた.
関東連合産科婦人科学会誌, 51(3)
390-390, 2014
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