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第128回学術集会(平成26年10月25日(土),26日(日))
【若手ポスターセッション4】
融解胚移植にて妊娠成立後,腹膜妊娠となり腹腔鏡下に治療した一例
柏木 寛史1, 浅井 哲1, 吉政 佑之2, 土谷 美和2, ヴァルクス 久美子2, 鈴木 大輔2, 平尾 健2, 細川 知俊2, 飯田 俊彦2, 石本 人士1, 和泉 俊一郎1, 三上 幹男1
東海大学医学部専門診療学系産婦人科1, 済生会宇都宮病院産婦人科2
【緒言】異所性妊娠は全妊娠の1〜2%に発症すると報告され,性感染症の増加や生殖補助技術を用いた妊娠の増加とともに増加傾向である.多くは卵管膨大部妊娠であり,腹膜妊娠は全異所性妊娠の約1%と大変稀である.
【症例】29歳 2経妊1経産.月経周期は不整.多嚢胞性卵巣,続発性不妊症の診断で体外受精を行っていた.今回,融解胚移植にて妊娠成立したが妊娠5週5日,子宮内胎嚢を確認できず,異所性妊娠の疑いで当院へ紹介となった.妊娠6週1日,血中HCG:1041mIU/mlだが,経腟超音波で子宮内胎嚢を認めず,左卵管膨大部妊娠の疑いで腹腔鏡下異所性妊娠手術を行った.腹腔内所見で子宮間質部および両側卵管に妊娠部位を確認できなかった.ダグラス窩には少量の出血が貯留し,ダグラス窩腹膜に径2cm大の隆起性病変を認めたため,モノポーラで腹膜と共に病変部を切除した.病理組織学検査で絨毛組織を確認したため,腹膜妊娠と確定診断した.術後経過は良好であった.
【考察】腹腔鏡下手術は腹腔内全体の詳細な観察を低侵襲に可能である.異所性妊娠を疑うが着床部位不明である場合,腹腔鏡下に両側の付属器を観察し,それらが正常である場合は続いて上腹部から詳細に観察することで腹膜妊娠の正確な診断が可能である.
関東連合産科婦人科学会誌, 51(3)
391-391, 2014
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