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第128回学術集会(平成26年10月25日(土),26日(日))

【若手ポスターセッション4】
帝王切開瘢痕部妊娠に対してメトトレキサート(MTX)療法(局注+筋注)を施行した8例の転帰


風間 朝子, 佐藤 加寿子, 難波 聡, 鈴木 元晴, 三木 明徳, 梶原 健, 岡垣 竜吾, 亀井 良政, 石原 理
埼玉医科大学産婦人科


【目的】帝王切開瘢痕部妊娠の治療法には様々な選択肢があり得るが,当院では妊孕性温存希望患者に局注と筋注を併用した複合型のMTX療法を第一選択としている.今回,MTX療法を施行した瘢痕部妊娠8例について,主に治療前hCG値をもとに治療の成否予測が可能かを明らかにすることを目的とする.【方法】IRBの承認に基づき,2009年7月から2014年5月の期間に瘢痕部妊娠と診断され,子宮温存希望がありMTX療法を施行した8例を後方視的に検討した.当院のプロトコールに基づいてMTX投与(局注0.4mg/kg+同量筋注3日間)を施行した.【成績】8例の治療前血中hCG値は26,800(2,326−120,735)mIU/mLであった.MTX投与後2例(25%)で性器出血のため緊急IVRを要し,そのうち1例で最終的に子宮摘出を要した(子宮温存成功率87.5%).追加治療を要した2例はいずれも治療前血中hCG値20,000mIU/mL以上で,子宮摘出の1例は120,735mIU/mLだった.hCG10,000mIU/mL以下の5例は全例MTX治療のみで治癒に至った.2例(25%)で治療後に妊娠が成立し,いずれも正所性であった.【結論】治療前血中hCGが10,000mIU/mL未満の場合にはMTX療法単独で治療成功率が示唆された.ただしそれ以上のhCG値であってもIVRの併用等により子宮温存が達成できる場合もあり,可能な限り十分な情報提供をもとにした治療方針策定が望ましい.


関東連合産科婦人科学会誌, 51(3) 392-392, 2014


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