 |
|
  |
|
         
|
<< 学会誌へ戻る 【緒言】帝王切開率の増加に伴い，帝王切開後妊娠を管理する機会が増加している．帝王切開瘢痕部近傍に胎嚢を認めた場合，瘢痕部妊娠の鑑別および前置胎盤・癒着胎盤発症のリスク評価などが重要であるが，必ずしも容易ではない．今回我々は，妊娠初期より当科で管理し，帝王切開瘢痕部近傍に胎嚢を認め妊娠継続をした2症例を経験したので報告する．【症例1】33歳，9経妊5経産，2回の正常分娩後3回の帝王切開の既往がある．無月経にて当科初診，子宮下節の帝王切開瘢痕部近傍に妊娠6週相当の胎嚢を認めた．瘢痕部妊娠も疑ったが，ICのうえ慎重に経過観察の方針となった．その後妊娠経過に異常はなかったが，胎盤は明らかに帝王切開瘢痕部を覆う前置胎盤であり，癒着胎盤も強く疑った．妊娠34週で帝王切開を施行，胎盤は子宮前面より透見できる状態であり，前置癒着胎盤と診断し，そのまま子宮全摘の方針とした．【症例2】42歳，1経妊1経産，骨盤位を適応とする帝王切開の既往がある．近医にてIVF-ETにて妊娠，帝王切開瘢痕部近傍にGSを認めたため妊娠6週で当科へ紹介となる．ICの上慎重に経過観察の方針となった．その後妊娠経過には異常を認めなかったが，瘢痕部を覆う前置胎盤を認めた．妊娠34週で帝王切開を施行，胎盤剥離後B-Lynch縫合などを行い子宮を温存した．【結語】今回子宮下節の帝王切開瘢痕部近傍に胎嚢を認めた2症例を経験した．瘢痕部妊娠も否定できない状態であったが，慎重に妊娠を継続する方針とした．両症例とも生児を得ることに成功したが，前置胎盤を合併した．帝王切開瘢痕部近傍に胎嚢を認めた場合，瘢痕部妊娠に注意しながら妊娠を継続する選択肢もあると考えられる． 関東連合産科婦人科学会誌, 51(3) 393-393, 2014 |
||
|
一般社団法人関東連合産科婦人科学会事務局 〒102-0083 東京都千代田区麹町4-7 麹町パークサイドビル402 株)MAコンベンションコンサルティング内 TEL：03-3288-0993 FAX：03-5275-1192 E-mail：kantorengo@jsog-k.jp Copyright (C) 一般社団法人関東連合産科婦人科学会 |