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第128回学術集会(平成26年10月25日(土),26日(日))

【若手ポスターセッション4】
処女膜閉鎖による月経モリミナをきたした一例


大柴 麻奈, 金田 容秀, 竹田 省, 寺尾 泰久, 木村 美葵, 楠木 総司, 氏平 崇文, 藤野 一成, 佐野 靖子, 笠原 真木子, 助川 幸, 板倉 敦夫
順天堂大学産婦人科


【緒言】処女膜閉鎖症の頻度はおよそ0.1%以下で,尿生殖洞の発生過程で生じる比較的稀な性器奇形である.月経未発来で月経血が腟内に貯留した状態を月経モリミナと呼び,下腹部痛や排尿障害,発熱をきたすことが多い.今回我々は,処女膜閉鎖による月経モリミナの1例を経験したので報告する.【症例】15歳,女児.主訴は下腹部違和感・疼痛,残尿感であった.現症として乳房・恥毛の発達あり,月経は未発来で外陰部の視診上腟入口部が閉鎖・膨隆しており,膨隆部から血液が透見できた.経会陰超音波断層像では13×7cm大の液体貯留像を認めた.骨盤部MRIではT1,T2強調像で高信号を呈する15×7×8cm大の血腫にて拡張した腟を認め,膀胱を一部圧排していた.また,中隔子宮も認められたが,両側の卵巣は正常であった.加えて,経腹壁超音波断層像で両側の腎臓に異常は認めなかった.腟の閉鎖部位や長さは同定できないため,以上より,処女膜閉鎖による月経モリミナと診断し,根治目的で処女膜開窓術を施行した.全身麻酔下にて尿道・直腸に十分注意しながら斜めに十字切開し,腟入口部を充分に開放し,吸収糸にて12方向に結紮・縫合し止血を行った.術後の経過は順調であり,自覚症状は消失した.現在,再閉鎖や発熱その他の異常は認められていない.【まとめ】処女膜閉鎖症は他の内外性器異常を伴わないとされるが,本症例では子宮奇形も認めたため腎泌尿器系の異常も念頭におき精査をすすめた.視診や触診および超音波,骨盤部MRIなどの集学的検査所見により骨盤内の形態異常を精査していくことが大切である.


関東連合産科婦人科学会誌, 51(3) 395-395, 2014


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