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第128回学術集会(平成26年10月25日(土),26日(日))
【若手ポスターセッション5】
子宮摘出後に発症した,内腸骨動静脈瘻を伴う巨大骨盤内平滑筋腫の1例
沖倉 詩織, 古澤 啓子, 大島 乃里子, 若菜 公雄, 若林 晶, 寺内 公一, 尾林 聡, 久保田 俊郎
東京医科歯科大学医学部附属病院周産・女性診療科
【緒言】子宮摘出後に発症した,内腸骨動静脈瘻を伴う巨大骨盤内平滑筋腫の1例を経験したので報告する.【症例】72歳,4経妊,4経産.既往歴としては高血圧,糖尿病で内服加療中で,39歳時に子宮筋腫に対して腹式単純子宮全摘出術を受けている.今回は接骨院で腹部腫瘍を指摘され当院消化器内科を受診した.CTにて177mmの骨盤内腫瘍と右内腸骨動静脈瘻を認めた.MRIでは充実成分と嚢胞成分が混在し,充実成分は筋組織と同信号であった.嚢胞成分はT1で低信号,T2で高信号を呈していた.右内腸骨動脈分枝からの栄養血管を認め,右卵巣悪性腫瘍が疑われた.術中大量出血を回避する目的で右内腸骨動静脈瘻に対して計3回の塞栓術を施行し,血流を低下させた上で骨盤内腫瘍摘出術を施行した.腫瘍は広間膜内に発育し周囲との癒着は著明であった.可能な限り切除し,術中迅速病理診断に提出したところ,平滑筋由来の軟部腫瘍と診断された.術中の出血量2700ml.術後の経過は良好で術後8日目に退院となった.永久標本の病理組織診断で悪性所見を認めず,平滑筋腫と診断された.良性腫瘍であったため,追加治療せず経過観察となっている.【結語】子宮摘出後に発症した巨大骨盤内平滑筋腫について文献的考察を加えて報告する.
関東連合産科婦人科学会誌, 51(3)
396-396, 2014
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