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第128回学術集会(平成26年10月25日(土),26日(日))

【若手ポスターセッション5】
繰り返すイレウス症状のため腸切除を要した異所性内膜症の一例


新 夏樹, 漆川 邦, 児玉 理, 中村 佳子, 竹島 絹子, 山田 直樹, 藤木 豊
水戸済生会病院産婦人科


 異所性子宮内膜症は子宮内膜組織に類似する組織が子宮内腔または子宮筋層以外の部位で発生する疾患である.消化管,肺,臍部など生殖器以外にも発生する事が知られている.今回我々は回腸に認めた異所性内膜症によって月経に随伴するイレウス症状を繰り返し,腸切除を要した症例を経験したので報告する.症例は34歳,0経妊0経産.開腹歴なし.以前から月経2日目に毎回胃痛・嘔吐が出現していた.今回も月経2日目からの腹痛,嘔吐あり.嘔吐を繰り返し改善ないため近医を受診した.イレウスの診断で当院消化器内科紹介となり同日入院,イレウス管を挿入された.4日後,改善したためイレウス管を抜去したところ再度イレウスを発症したためその8日後にイレウス管を再挿入された.繰り返すイレウスに対して手術目的に消化器外科入院となった.腹腔鏡にて子宮後面・両側卵巣に点状出血点を認めた.また回腸末端に嚢胞状の腫瘤を認め,ダグラス窩にブルーベリースポットが散在しており,異所性子宮内膜症によるイレウスと診断され,腹腔鏡下回盲部切除術を施行された.術後経過は良好で,術後10日目に退院となった.その後イレウスの再発はなく経過している.術後病理診断は回盲末端の漿膜側から固有筋層にかけて内膜間質が認められ,診断に矛盾しない結果であり,退院後よりピルの内服を開始した.月経に随伴して増悪する消化器症状がある場合,異所性子宮内膜症を考慮する必要があると考えられた.


関東連合産科婦人科学会誌, 51(3) 396-396, 2014


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