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第128回学術集会(平成26年10月25日(土),26日(日))

【若手ポスターセッション5】
卵巣子宮内膜症性嚢胞に併発した卵管卵巣膿瘍の1例


野路 千智, 石井 博樹, 矢坂 美和, 宇田 優貴, 後藤 優美子, 杉山 太朗, 前田 大伸, 村松 俊成
東海大学医学部付属八王子病院産婦人科


 卵管卵巣膿瘍(tubo-ovarian abscess:TOA)は高度の骨盤内炎症性疾患であり,重症子宮内膜症ではTOAを発症しやすいとされている.TOAは抗生剤などの保存的治療が無効なことが多く,手術療法を選択せざるを得ないことが多い.今回抗生剤での保存的治療にて症状が軽快した後も炎症所見が持続し,腹腔鏡下手術を施行するに至った一例を経験したので報告する.44歳2経妊2経産,両側卵巣子宮内膜症性嚢胞にて当院紹介.GnRHa療法後に嚢胞増大ありジェノゲスト内服開始.その後,症状軽快し嚢胞も消失したため一時内服中止としたが,その後,再度嚢胞径増大(右6.7cm,左4.5cm)・CA125 135.1U/mlと上昇を認め内服再開し経過観察となる.内服開始後,発熱・下腹部痛にて当院救急搬送.採血上WBC12500/μl,CRP15mg/dlと炎症反応高値であり,卵巣子宮内膜症性嚢胞感染と診断し抗生剤FMOX2g/日にて保存的治療開始.入院72時間後,症状・炎症所見の改善を認めず,抗生剤をMINO200mg/日に変更.抗生剤変更後は徐々に解熱,炎症所見も改善し入院14日目に軽快退院となる.その後,腹部症状は認めなかったが炎症反応が持続したため,TOAの形成を疑い腹腔鏡下両側付属器切除・骨盤内癒着剥離術を施行.その後は再燃を認めず16日目に軽快退院となる.卵管や卵巣に炎症が波及し膿瘍を形成するTOAでは,しばしば抗生剤に抵抗性を示し治療に難渋する.TOAは卵巣子宮内膜症性嚢胞を有する症例に発症しやすいため,保存的治療に難渋する嚢胞感染にはTOAを形成している可能性も念頭において治療にあたるべきであると考えられた.


関東連合産科婦人科学会誌, 51(3) 398-398, 2014


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