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第128回学術集会(平成26年10月25日(土),26日(日))

【若手ポスターセッション5】
卵巣奇形腫摘出後に著明な意識レベルの改善を認めた傍腫瘍性辺縁系脳炎の1例


山岡 聖子, 由島 道郎, 鈴木 理絵, 中口 芳恵, 太田 幸秀, 若林 玲南, 栃尾 梓, 長谷川 瑛, 奥田 美加, 窪田 輿志
国立病院機構横浜医療センター産婦人科


 自己抗体介在性辺縁系脳炎には特定の腫瘍が合併することがある.神経細胞の細胞膜抗原である,N-methyl-D-aspartate(以下,NMDA)受容体に対する自己抗体が卵巣奇形腫に随伴する傍腫瘍性脳炎に特異的に存在することが報告されている.今回我々は,卵巣腫瘍摘出後に意識レベルの著明な改善を認めた辺縁系脳炎の一例を経験したので報告する.症例は,30歳 0回経妊0回経産.特記すべき既往症を認めなかった.発熱,全身倦怠感,言動異常出現し,4日後に前医神経内科受診した.血液検査では軽微な炎症反応,脳脊髄液検査では単核球優位の軽微な炎症反応が認められ,ウイルス性脳炎が疑われた.アシクロビル投与を開始した.頭部CTにて優位な所見を認めなかった.頭部単純MRI拡散強調画像にて両側側頭葉先端に高信号を認めた.9日後よりけいれん様の動きみられステロイドパルス療法を開始し.腹部CTにて石灰化を伴う左卵巣嚢腫を認め,卵巣奇形腫を伴う抗NMDA受容体抗体脳炎が疑われ当院紹介となった.来院時JCS300,右下肢付随運動を認めた.発症から19日後に腹腔鏡下左卵巣嚢腫摘出術を施行した.病理学的診断は,成熟奇形腫であった.術後7日目付随意運動の消失と意識レベルの改善を認めたため鎮静を中止した.術後9日目から会話も可能となり,術後11日目には介助歩行が可能となった.その後順調にADL改善認めた.辺縁系脳炎の原因の一つとして卵巣奇形腫は重要であり,早期摘出が神経学的予後の改善につながる可能性が示唆された.


関東連合産科婦人科学会誌, 51(3) 399-399, 2014


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